インターンシップに参加するためには、熱意のこもった志望動機を書く必要があります。ただ、志望動機の書き方にはコツがあり、何も知らない人がうまく書くのは難しいです。そこで今回は、インターンシップの志望動機の書き方について説明します。

志望動機の書き方はもちろん、企業が志望動機を聞く理由をもとに注意点を解説します。企業目線を知ることでインターンシップ選考の通過率をグッと上げられるので、この記事を参考にしてインターンシップの選考に望んでみてください。

 

<目次>
企業がインターンシップの志望動機を聞く理由
インターンシップの志望動機の書き方(基本構成)
インターンシップの志望動機を書く際のポイント
インターンシップの志望動機を書く際の注意点
インターンシップの志望動機のテンプレート・例文
まとめ

企業がインターンシップの志望動機を聞く理由

まずはじめに、企業がインターンシップの志望動機を聞く理由を紹介します。

熱意があるかを確認するため

企業は志望動機を見て、インターンシップ参加への熱意を確認しています。熱意を持った学生がインターンシップに参加すると、グループワークでの議論が活発になったり、質疑応答で盛り上がったりします。そのため、企業は熱意のある学生を集めて、インターンシップというイベントを成功させようと考えるのが当然といえるでしょう。

目的意識があるかを判断するため

企業は志望動機を見て、その学生が目的意識をもってインターンシップに参加しようとしているかを判断しています。インターンシップは参加することがゴールではなく、インターンシップを通してスキルアップをしたり、仕事への理解を深めることが目的です。本選考で有利になるからという理由だけでインターンシップに参加する学生もたくさんいるため、企業は学生の志望動機を見て目的意識の有無を判断しています。

自社に合った学生を採用するため

企業がインターンシップを実施している理由は、自社に合った学生を採用するためです。社員と交流することで自社の魅力を知ってもらい、社風に合った学生に本選考を受けてもらうため、インターンシップを実施しています。また、自社で活躍してくれる学生を採用したいと考えているため、志望動機で熱意を確認するのはもちろん、文章構成や志望動機の内容から論理的思考力やコミュニケーション能力などを判断しています。

インターンシップの志望動機の書き方(基本構成)

インターンシップの志望動機は、以下の構成を意識して書きましょう。

志望した理由

志望動機では、まずはじめにインターンに参加したい理由を書きましょう。志望動機は名前の通り「なぜインターンに参加したいか」を伝える文章です。ビジネスでは結論から書き始めるのが重要視されているため、就活関連の文章でも結論から書き始める「結論ファースト」を意識しましょう。

具体的なエピソード

次は、志望理由を裏付ける具体的なエピソードを書きましょう。志望した理由は他の学生と被ることがありますが、志望理由を裏付けるエピソードは一人ひとり違います。そのため、学生生活やアルバイトを通してなぜインターンシップに参加したくなったのかを、具体的に書きましょう。

インターンシップで成し遂げたいこと

次に、インターンシップで成し遂げたいことを書きましょう。インターンシップは参加することがゴールではなく、スキルを身につけたり企業への理解を深めたりすることがゴールです。インターンシップの内容をもとに自分が何に挑戦していくのかを伝えることで、インターンシップで活躍してくれる人材だとアピールできます。やる気がある学生がいると、インターンシップに参加している他の学生のやる気も向上するので、積極的に行動する学生は重宝されます。

その企業でなければならない理由

最後に、その企業のインターンシップでなければならない理由を書きましょう。同業他社でもインターンシップを行っているため、その企業でなければならない理由を具体的に伝える必要があります。他社のインターンシップとの違いを明確にして、他の企業では自分のやりたいことが達成できないと伝えると、第一志望ということがアピールできるでしょう。本選考と同じように、企業理念や社風などから「その企業でなければならない理由」を書くのもおすすめです。

インターンシップの志望動機を書く際のポイント

インターンシップの志望動機を書く時は、以下のポイントを確認しましょう。

インターンシップに参加したい理由を明確にする

志望動機でもっとも重要なのが、インターンシップに参加したい理由です。もし、参加したい理由がはっきりしていないなら、参加したい理由をよく考える必要があります。これまでの出来事や就活の軸などを考えると、心の底にあった真の志望動機が見えてくるでしょう。志望動機がスムーズに書けない時は、自分でも参加したい理由がはっきりしていないことが多いので、一度ゆっくりと志望動機を考えてみるのがおすすめです。

その企業に興味をもったきっかけを思い出す

志望動機には、参加したい理由を裏付ける具体的なエピソードを書く必要があります。今現在、あなたがその企業・業界・職種に興味があるのは、必ずあなた自身の過去の出来事や体験がもとになっています。具体的なエピソードはないと思っている人もいるかもしれませんが、興味を持った理由は必ずあります。

例えば、特定の食品メーカーを志望しているなら、小さい頃からその食品を好んで食べていたかもしれません。もしかしたら、つらかった時にその食品メーカーの商品を食べて元気が出たかもしれません。些細なことでもよいので、具体的なエピソードを思い出してみてください。

募集要項を見て、求める人物像を確認する

インターンシップ選考の通過率を上げたいなら、募集要項をよく読むことが重要です。募集要項には企業が求める人物像が書かれているので、求める人物像に沿って志望動機を考えることで、通過率が向上します。

どういう学生を求めているか具体的に書いていないこともありますが、インターンシップの内容や社風から求めている学生像は把握できます。無理に企業側の求める人物像に合わせる必要はありませんが、志望動機に使うエピソードを決める際の参考になるでしょう。

インターンシップの志望動機を書く際の注意点

以下の3点は学生がよく間違える点なので、提出前に確認しておきましょう。

文字数が適切か

書類選考では字数制限を設けられていることがあるため、募集要項を確認して適切な文字数を把握しましょう。熱意を伝えるために長文を書く人がいますが、字数制限を超過していると規則・規定を守れないという印象を与えてしまいます。

字数制限があるときは、制限の9割以上書くのが好ましいです。400文字以内という制限がある場合は、360文字〜399文字に収めるのがよいでしょう。逆に、短すぎると熱意がないという印象を与えてしまいます。字数制限ギリギリで具体的なエピソードを盛り込んだ志望動機にすれば、熱意や文章読解能力をアピールできます。

「貴社」と「御社」を間違えていないか

「貴社」と「御社」の違いを、就活になってから知る学生も多いでしょう。「貴社」は書き言葉なので履歴書を書くときに使い、「御社」は話し言葉なので面接のときに使います。基本的なルールなので、守られていないとマイナスな印象を与えてしまう可能性があります。そのため、提出する前に「貴社」と「御社」を間違えていないかをチェックしておきましょう。

手書きの場合は目視でのチェックになりますが、パソコンで文章を入力しているときは目視に加えて、文字検索でのチェックをするのがおすすめです。WordやGoogleドキュメント、メモ帳で「コントロール+F」で文字検索ができるため、効率よくチェックできます。

多くの企業では「貴社」「御社」を使いますが、金融機関の中には別の呼び方をすることがあります。銀行では「貴行」「御行」という呼び方をしますし、信用金庫では「貴庫」「御庫」という呼び方をします。間違えやすいので、金融業界を志望している学生は注意しておきましょう。

例文をコピペしていないか

ネット上には志望動機のテンプレートがたくさんありますが、例文をコピペするのはやめましょう。多くの学生がテンプレートに当てはめただけの志望動機を提出しているため、企業側は少し志望動機を読むだけでも、その学生が例文をコピペしているかわかってしまいます。

明らかにコピペした文章だと印象が悪くなってしまいますし、何よりもあなたの経験やインターンシップへの熱意が伝わりません。もちろん、文章構成や書き方の基本が守られていることは重要ですが、それ以上に文章の内容のほうが重要です。

これから志望動機の例文を紹介しますが、あくまでも一例なので、完全に真似る必要はありません。例文は参考程度にして、コピペして提出するのはやめておきましょう。テンプレートをコピペしている学生と差別化を図るためにも、あなた自身の言葉で書くのがおすすめです。

文章構成が完璧でなかったとしても、自分の言葉で書いたほうが熱意が伝わり、選考の通過率がアップします。

インターンシップの志望動機のテンプレート・例文

志望動機のテンプレート・例文を、業界別に紹介します。上記でも説明した通り、テンプレートは参考程度にして、1から自分の言葉で志望動機を書くようにしましょう。

総合商社

私が総合商社でのインターンシップを志望する理由は、多様なビジネスと人々の暮らしに直接影響を与える仕事に魅力を感じるからです。海外留学の経験を通じて、国籍を問わず多くの人とコミュニケーションをとる能力を身につけました。貴社が世界中で展開するビジネスは、私のこのスキルを最大限に活かせる場だと考えています。インターンシップを通じて、貴社の多角的なビジネスに触れ、さらなる成長を目指したいです。(194文字)

IT業界

私がIT業界でのインターンシップを志望する理由は、テクノロジーが社会に与える影響に深く興味を持っているからです。特に、AIとデータ解析が持つポテンシャルに魅了されています。大学でコンピューターサイエンスを学びながら、実際のビジネスでどのように活用されているのかを知りたいと考えました。貴社はその分野で先進的な取り組みをしており、インターンシップを通じて実践的なスキルを身につけたいと思います。(198文字)

広告業界

広告業界に興味を持ったきっかけは、貴社のクリエイティブな広告に感銘を受けたからです。広告は文化や価値観に影響を与える力があり、そのプロセスに参加したいと強く感じています。貴社のインターンシップでは、広告作成の全過程を学び、どのようにしてターゲットに訴えるかを理解したいです。また、デジタルマーケティングの進化により、広告業界も変化しています。貴社のインターンシップを通じて、広告業界の新しい動きを肌で感じ、今後自分に必要になるスキルを見つけていきたいです。(228文字)

自動車メーカー

私が自動車メーカーでのインターンシップを志望する理由は、持続可能な移動手段の開発に興味を持っているからです。特に、貴社が推進しているエコカーと自動運転技術に強く引かれました。これらの技術は、環境問題の解決だけでなく、高齢者や障害者にとっても新たな移動の自由をもたらす可能性があります。インターンシップを通じて、これらの技術が社会にどのように適用され、人々の生活にどのような影響を与えるのかを学びたいと考えています。また、貴社のグローバルな事業展開にも注目しており、国際的な視野を持つことの重要性を感じています。インターンシップで得た経験と知識を将来的には、持続可能な社会作りに貢献する形で活かしていきたいと思います。(308文字)

食品メーカー

私が貴社のインターンシップに参加を希望する理由は、貴社が推進する健康志向の食品開発に強く共感するからです。特に、貴社が開発した低糖質のスナック商品は、糖尿病患者や健康を気にする多くの人々にとって、日常生活を豊かにする素晴らしい商品だと感じています。このような商品開発には、科学的な根拠とマーケティング戦略が必要です。インターンシップを通じて、これらのプロセスを学び、自分自身も健康志向の食品開発に貢献できるスキルを身につけたいと考えています。また、貴社が持つ強力なブランドイメージと、それを支える広告戦略にも興味を持っています。特に、SNSを活用したマーケティングが印象的で、そのような現代的な手法を学びたいです。最終的には、健康と美味しさを両立させた新商品の開発に携わりたいと考えています。このような実践的な経験を通じて、食品業界でのキャリアを積む基盤を作りたいと強く感じています。(392文字)

運輸・物流・倉庫業界

私が運輸・物流・倉庫業界でのインターンシップを希望する理由は、この業界が持つ社会基盤としての重要性と、テクノロジーによる効率化の可能性に強く興味を持っているからです。特に、貴社が開発したAIを活用した在庫管理システムは、業界全体の効率化に寄与していると感じています。このような革新的な取り組みには、深い業界知識と先進的なテクノロジーが必要です。インターンシップを通じて、これらの要素を学び、業界の更なる効率化と発展に貢献できるスキルを身につけたいと考えています。また、貴社が推進する環境に優しい物流戦略にも共感しています。例えば、電動トラックを活用することでCO2排出を削減する取り組みは、持続可能な社会に貢献しています。インターンシップで、このような環境配慮型の物流戦略についても学びたいと思います。さらに、貴社が行っているドライバー教育プログラムにも興味を持っています。安全運転は物流業界において非常に重要な要素であり、その教育体系を理解し、将来的には改善にも寄与したいと考えています。運輸・物流・倉庫業界は多角的な視点でのスキルと知識が求められる業界だと考えています。インターンシップを通じて、これらの多様な側面から学び、自身の成長と業界への貢献を目指したいと強く感じています。(542文字)

まとめ

この記事では、インターンシップの志望動機の書き方やポイント、注意点について解説してきました。インターンシップでは企業や仕事について深く理解できますし、2025年卒学生からは条件によっては選考に活用されることも。社会人になるとさまざまな企業を見てみるということはできないため、今しかないチャンスです。ぜひ、この記事を参考にして、第一志望のインターンシップに参加できるように努力してみましょう。