企業から内定の連絡をもらった後、喜びと安堵の一方で、お礼をどのように伝えるべきか、迷うところではないでしょうか。また、内々定の連絡を受けた後、入社を希望し承諾する人もいれば、引き続き就職活動を継続したいと考える人もいるでしょう。そこで、本記事では、両方のケースを踏まえつつ、お礼メールを送る際のメッセージの書き方を例文とともに解説します。

企業側と“同じ連絡手段”で“できるだけ早く”返事をしよう!

内々定・内定をもらったら、まずお礼を伝えよう

内々定・内定の通知が届いたらお礼を伝える、という決まりはありません。ですが、実際に、多くの就活生が内々定・内定をもらった後は、お礼メールを送っています。就職活動に限らず、連絡をもらったら返事をするのが最低限のマナー。内々定・内定の通知も同じように、お礼の連絡は必須と心得ておくのがよいでしょう。

お礼を伝えるべき理由は、二つあります。まず一つは、内々定・内定の連絡を受け取ったことを企業側に伝えるためです。企業側は、返信がない限り、学生がメールを確認したかどうかが分かりません。もう一つの理由は、選考に時間を割き、評価してくださった採用担当者に感謝を伝えるためです。仕事に対する意欲を書き添えたり、今後のスケジュールを確認することもでき、お礼は双方に有益です。

どんな方法で伝えるのがベスト?

伝え方は、企業側の連絡手段に合わせて同じ方法を選ぶのが無難です。例えば、内々定・内定の通知がメールの場合、お礼はメールで送ります。そのほかにも通知方法は、電話や文書などが考えられるでしょう。

メールは、手軽さゆえに失礼にあたらないかと不安に思う人もいるかもしれませんが、相手の時間を中断させることなく、都合のよい時に確認してもらうことができます。丁寧な表現で気持ちが伝わるように工夫すれば、手軽さゆえの不安はクリアできるのではないでしょうか。

電話は、相手の手を止めてしまうほかに、不在で何度もかけ直しという場合もあります。お互いの声を聞いて話ができるという点では、気持ちを伝えやすいのがメリットですが、内定を承諾するか否かを問われる可能性もあり、以降も就職活動を続けていきたい人には心づもりが必要です。

文書(お礼状)は、企業が郵送で通知を出した場合の返信としてはおすすめです。手書きで丁寧に書けば、礼儀正しさも感じられます。ただし、企業側に届くまでには投函後数日かかります。企業側が郵送でなければ、お礼はすぐに伝えられる手段を選ぶのがよいでしょう。

お礼メールの書き方を、例文でチェック!

お礼メールの文面は、内定を承諾するか否かによって書き方が変わります。以下に、それぞれのケースに合わせた例文をまとめました。メールを作成する際の参考にしてください。

<内定承諾の場合>

内定を出してもらったことへのお礼の言葉を添え、内定を受ける意思を明確に書くのが重要なポイントです。

件名:Re:選考結果につきまして【株式会社◯◯◯】

本文:
株式会社○○○(企業名)
人事部(部署名) ○○様(担当者名)

大変お世話になっております。
○○大学・□□学部・○○学科の○○○○(自分の氏名)です。

このたびは内定のご連絡をいただき、誠にありがとうございます。
謹んでお受けいたします。
貴社に内定をいただくことができ、大変うれしく思っております。
入社後は一日も早く貢献できるよう、努力して参ります。
これからもどうぞよろしくお願い申し上げます。

まずはお礼を兼ねて、ご挨拶を申し上げます。

──────────────────
○○○○(自分の氏名)
○○大学・□□学部・○○学科 △年
090-××××-××××(携帯電話番号)
○○@××.××.jp(メールアドレス)
──────────────────

POINT!

件名は編集・変更しない
届いたメールにそのまま返信して「Re:<企業からの件名>」としましょう。
会社名、担当者名、本文の誤字脱字を最終チェック
会社名は省略しない。本文は分かりやすく端的な表現を心がけましょう。
お礼と内定承諾、入社に向けた意気込みの3つを簡潔に伝える
確認したい事項がある場合
例:今後の予定を確認した場合(例文の一部を変更)

   (省略)
入社後は一日も早く貢献できるよう、努力して参ります。

つきましては今後の流れについてお教えいただきたく存じます。
ご多忙の折、大変恐縮ですがご返信いただけますと幸いです。

<承諾するか辞退するか迷っている=内定保留の場合>

件名:Re:選考結果につきまして【株式会社◯◯◯】

本文:
株式会社○○○(企業名)
人事部(部署名) ○○様(担当者名)

大変お世話になっております。
○○大学・□□学部・○○学科の○○○○(自分の氏名)です。

このたびは内定のご連絡をいただき、誠にありがとうございます。

貴社に評価をしていただき、大変うれしく思っております。
早急にお返事をさせていただきたいのですが、
現在選考途中の企業があり、最終選考を○月◯日に控えております。
最後まで悔いのないよう、結果を受けてから決断したいと考えており、
○日まで回答の猶予をいただくことは可能でしょうか。

お待たせすることになり大変恐縮ではありますが、
ご検討のほどよろしくお願い申し上げます。

──────────────────
○○○○(自分の氏名)
○○大学・□□学部・○○学科 △年
090-××××-××××(携帯電話番号)
○○@××.××.jp(メールアドレス)
──────────────────

POINT!

回答期日の猶予は1週間程度を目安に
なかには1ヶ月程待ってくれる企業もありますが、企業側にもスケジュールや都合があり、先延ばしにできないケースもあることを念頭に置いておきましょう。
保留の理由は、素直に本心を伝える
印象が悪くなるかもしれないととりつくろったり、あいまいにするのはNG。正直に相談するつもりで伝えましょう。

<内定辞退の場合>

件名:内定辞退のご連絡(○○大学・自分の名前)

本文:
株式会社○○○(企業名)
人事部(部署名) ○○様(担当者名)

お世話になっております。
内定のご連絡をいただきました○○○○(自分の名前)です。

この度は内定をいただき、誠にありがとうございました。

このようなありがたいお知らせをいただきながら恐縮ではございますが、
貴社の内定を辞退させていただきたくご連絡を差し上げました。
辞退の理由としましては、
同時に選考を進めていた企業から内定とのご縁を感じ、
熟考の末、このような決断に至りました。

内定までに貴重な時間を割いていただいたにも関わらず、
このようなご連絡を差し上げることになり、大変申し訳ございません。
また、本来であれば貴社へお伺いし、お詫びをするべきところですが、
メールでのご連絡になりましたことを、重ねてお詫び申し上げます。

○○様をはじめ、今回の採用にかかわってくださった皆様には、心から感謝しております。
末筆ながら、貴社の益々のご発展を心よりお祈り申し上げます。

──────────────────
○○○○(自分の氏名)
○○大学・□□学部・○○学科 △年
090-××××-××××(携帯電話番号)
○○@××.××.jp(メールアドレス)
──────────────────

POINT!

件名は、内定辞退の連絡と分かるようにする
例:内定辞退のご連絡
内定のお礼、辞退の理由、お詫びの気持ちの3つを伝える
とくにお世話になったり、必要だと感じたら、さらに電話をするのも◎

最後に

今回は、内々定・内定のお礼メールについて解説しました。メールのやりとりは、社会人としてのマナーも試されます。保留や辞退は心苦しいものですが、できるだけ早く返信することで真摯な想いは伝わります。あなたの率直な想いが伝わるように、ぜひ例文を活用してくださいね。