エントリーシートは就活の中でも重要なポイントのひとつ。その内容は企業ごとに様々ですが、定番中の定番と言えるのが「ガクチカ」と「自己PR」の二つです。どちらも採用担当者の印象に残る回答にしたいところですが、内容が重複したり、伝えるべきことを見失ってしまったりと混乱しがちです。改めてその違いを確認してみましょう。
質問の意図を理解しているかどうか。
そこを抑えれば、書くべきことが分かる!
「ガクチカ」=「学生時代に力を入れていたこと」
表現の仕方に違いはあっても、多くのエントリーシートに登場する「ガクチカ」。「学生時代に力を入れていたことは何ですか」という設問です。学業のほかに、サークル活動、社会活動、アルバイト、資格取得、特技や趣味など、学生時代に頑張ってきたことを実際の経験をベースに書くことがポイントになります。「人に話せるような特別なことは何もしていない」と弱気になる必要はありません。まず自分が一番頑張っていたと思える経験を取り上げ、それについてまとめていきましょう。
「ガクチカ」は、自分がどのように力を入れていたか、が伝わる内容に
採用担当者は、ガクチカの回答を通して「どのような困難や課題に直面し、どのように取り組み行動したか、さらに、何を学んだか」を知りたいと考えています。つまり、困難や課題に直面した経験について掘り下げて考えてみるのがよいでしょう。
【書き方のヒント】
- まず、ここで取り上げたい学生時代に力を入れていた経験を端的にまとめる
- 次に、どんな目標を掲げて努力し、どんな困難や課題に直面したかを書く
- 課題に対して起こした取り組みや行動を具体的に記す
- 結果と、学び得たことについて書く。
【ここも大事!攻略ポイント】
2のコツは、実際にあったエピソードを深堀りするように書き進めること。具体的な内容ほど、採用担当者の印象に残ります。3は、第三者との関わりや働きかけなど、コミュニケーション能力や協調性が分かるエピソードもしっかり書きましょう!
採用担当者は、ガクチカの回答から、その学生の考え方や価値観、コミュニケーション能力、問題解決力、協調性など、どんな能力に長けているのかを判断しようとしています。注目しているのは、結果ではなく過程です。そのため、具体的なエピソードに欠ける回答では伝わりません。自分が直面した課題にどう向き合ったかを思い返し、なぜそうしたのかを自問自答してください。その時の自分の心情も添えれば回答により深みを出してくれるでしょう。
一方、「自己PR」とは
自己PRは、企業が学生の人間性、なかでも強みを知るための設問です。そこで、冒頭には「わたしの強みは〇〇〇〇です」と端的に表す一文からスタートするのがよいでしょう。この〇〇〇〇に、あなたの場合はどんな言葉が当てはまりますか?そして次に、なぜあなたの強みが〇〇〇〇なのか、その理由やきっかけについて考えます。自問自答を重ねて書くべき要素が揃ったところで、下の【書き方のヒント】に沿って書き始めてみましょう。
「自己PR」は、企業側が求める人物像とマッチしているかどうかの判断材料に
書き終えたらまずチェックすべきは、自分の強みが、エントリーする企業が求める人材像とマッチしているかどうかです。採用担当者は、その学生がどのような能力を持っていて、入社後どのように活躍できるかを探ろうとしています。求める人材像と自分の強みが合致していない場合は、企業側が採用する人材として魅力と思えるエピソードやより強い説得力が必要です。採用するメリットを感じられる内容かどうかを、客観的にチェックしてみましょう。
【書き方のヒント】
- まず、自分の強みを分かりやすく書く。
- 次に、その強みを培った背景(きっかけや理由)を取り上げる。
- 具体的なエピソードを書く。
- その強みが今後の仕事や志望企業でどのように役立つか、役立てたいかを書く。
【ここも大事!深堀りポイント】
2は、その強みを自分の強みだと自覚したきっかけをよく思い出してみましょう。自己PRも具体的でリアルに伝えることを意識するのが吉です。3は、エピソードはひとつに絞り込みましょう。いくつも書くと印象が薄くなります。
「ガクチカ」と「自己PR」の違いを改めておさらい
自己PRは、自分はどんな人間かを伝えるための設問である一方、ガクチカは、学生時代の経験を通してどのように考え、成長することができたかを問う設問です。この意図を見失わないようにすれば、見当違いの回答になることは防げるでしょう。「なぜ?」「どうして?」と自問自答を繰り返す。それが、内容を深める近道です。
仕上がった文章は、そこで満足せず、必ず第三者の添削を受けましょう。大学のキャリアセンターのほか、家族や友人も頼りになる存在です。客観的なアドバイスは、エントリーシートに磨きをかけてくれるもの。ありがたく受け止めて活かしましょう。
さいごに
エントリーシートを<志望企業への提出物>と捉えていると、ライバルに差をつけられてしまいます。なぜなら、企業側が用意した設問はどれも、自分の就職や将来について考えや意思を深める絶好のチャンスだからです。「自分はどんな人間なのか」、「将来はどうありたいのか」を、ぜひじっくり分析してみましょう。その努力が、必ず就活全体を支える自信となるはずです。採用担当者の印象に残る最高のエントリーシートを完成させましょう!