「履歴書の自己PRって何を書けばいいの?」
「そもそも自己PRって何?」
このように考えている就活生の方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、「自己PRの書き方」について分かりやすく解説していきます。自己PRに関する基礎知識はもちろん、具体例も多数紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

 

<目次>
そもそも自己PRとは?
採用担当者は自己PRをどのように使うのか?
履歴書の自己PRの書き方
自分の強みを活かした自己PR例【新卒採用版】
まとめ

そもそも自己PRとは?

自己PRとは、一言で言えば、自分ならではの長所や特徴などをアピールすること。文字通り自分自身をPRし、企業側に「この就活生は見込みがあるな・採用したいな」と思わせることが目的だと言えます。

当たり前ですが、学歴や志望動機だけでは、その人の特徴は見えてきません。採用担当者は、自己PRを読む・聞くことで、「その人は何が得意でどのような素質があるのか」「自社の求める人物像とマッチしているか」を知りたいと思っています。

ゆえに就活生の皆さんは、

・自分はどのような人材か
・自分の強みは何か
・自分はどのように企業に貢献できるのか

などを端的に伝える必要があるわけです。

採用担当者に自分自身を売り込むためにも、ぜひ魅力的な自己PRを考えていきましょう。

採用担当者は自己PRをどのように使うのか?

採用担当者は、学生の自己PRをどのように使うのでしょうか。書類選考の場合と面接選考の場合に分けて、それぞれ簡単に解説していきます。

書類選考の場合

新卒採用活動では、一次選考として、まず書類選考が実際されるケースがほとんどです。皆さんは、エントリーシート(ES)や履歴書を作成し、企業に提出することになります。

どのようなフォーマットのES・履歴書であっても、大抵の場合、自己PRの記述欄が設けられているでしょう。採用担当者は、その自己PR欄に記載されている内容を読んで、応募者の特徴や強みを理解しようとするのです。

・どのような経験をして、どのようなスキルを身につけたのか
・どのような長所があって、その長所をどのように活かしてきたのか
・どのような価値基準で行動しているのか

などを総合的に見て、「結局のところ自社で活躍できそうか」をチェックするわけです。

また、文章全体を通して、「要約力」「論理性」「伝える力」「基礎的な日本語力」などもチェックされているでしょう。

プロの採用担当者は、1日や2日で何となく書いた自己PRなのか、数ヵ月かけて何度も何度も推敲した自己PRなのか、瞬時に判断することができます。つまり、「その就活生がどれくらい真剣に準備してきたのか」も分かってしまうわけです。ゆえに、素晴らしい学歴や資格を持っていても、自己PRの内容が杜撰であれば、書類選考を通過することは難しいでしょう。

なお、ESや履歴書の自己PR欄はそこまで広いものではなく、何千文字も記述できるわけではありません。当たり前ですが、数百文字の文章だけで、その人の強みや長所を全て理解するのは不可能です。
・もっと詳しく知りたい
・人柄や雰囲気を確かめたい
・一度会ってみたい
採用担当者がこのように感じてくれれば、晴れて面接選考(二次選考)へと進むことになります。

④面接選考の場合

書類選考を通過すれば、続いて面接選考へと進みます。
(※筆記試験や適性検査などが実施されるケースもあります)

「まだ面接を受けたことがない」
「上手く話せるかどうか不安……」
という方も多いのではないでしょうか。

基本的に、面接官の手元には皆さんの履歴書などが置かれており、その履歴書を見ながら質疑応答が進んでいく形となります。「自己PRをお願いします」と言われるパターンもあれば、「履歴書の自己PR欄にはこのように書かれているけれど、もっと詳しく聞かせてくれる?」と言われるようなケースもあるでしょう。

採用担当者がチェックしていることは、書類選考の場合とほとんど同じです。しかし、書類選考のときよりも厳密な審査が行われるため、自己PRについても細かく突っ込まれることになります。「自社で活躍できそうな人材か」「自社の求める人材像とマッチしているか」をしっかりと見極めるために、面接官が気になったことや文章だけでは分からない部分を深掘るような形で、様々な角度から質疑応答が行われるはずです。

なお、自己PRのエピソード・ストーリーは、書類選考と面接選考でわざわざ変える必要はありません。ただし、上述の通り、面接選考では、深い質問・具体的な質問をされる可能性が高いです。履歴書の場合は「書いて終わり」ですが、面接の場合そうはいきません。どのような質問が来てもスムーズに回答できるよう、入念な準備をしておく必要があるでしょう。

履歴書の自己PRの書き方

いざ履歴書の自己PRを書こうと思っても、スラスラと書き始められる人はいないでしょう。「そもそも自分のアピールポイントは何なのか」「どのような文章を書けばよいのか」など、分からないことだらけだと思います。

そこでこの章では、「自己PRの書き方」について説明していきます。ぜひ参考にしてください。

具体的には、以下のような流れで進めていきます。

1.自己分析を行う
2.企業研究を行う
3.自己PRの構成を考える
4.文章を書く
5.文章をチェックする

順に見ていきましょう。

1.自己分析を行う

いきなり自己PRの文章を考えるのではなく、まずは、自己分析から始めていきましょう。

自己分析とは、自身の特徴を把握するために、これまでの人生経験や思考方法などを振り返り、整理することです。

自分の性格について、漠然としてイメージを持っている方も多いでしょう。「自分はだらしない性格だ」「私はポジティブ思考であり、人と話をするのが好きだ」といった具合です。しかし、これらのイメージは、あくまでも自分の主観的な感覚に過ぎません。他人から見たら、真面目できっちりしている性格かもしれませんし、ネガティブで暗い人間だと思われている可能性だってあるでしょう。

自分自身のことを深く理解できていなければ、アピールポイントも分からず、嘘か本当か分からないような自己PRを書くことになってしまいます。

だからこそ、まずは客観的な視点で自分自身を分析し、「自分はどのような人間なのか」を明らかにしていくことが重要なのです。そうすることで、自分の強みや弱み、価値観などが明確になり、自ずと「何をアピールするべきか」が見えてくるでしょう。

なお、自己分析には様々な手法が存在しますが、今回は、以下の3つを紹介します。

・自分史を作る
・モチベーショングラフを作る
・専門サービスを活用する

自分史を作る      

自分史とは、文字通り、自分自身の歴史のことを意味します。

これまでの出来事(学業、ゼミ、研究、課外活動、サークル、バイトなど)を振り返りながら、
・どのような行動をしたのか
・どのような感情になったのか
・どのような強みを発揮したのか
・どのようなスキルを身につけたのか
などを整理してみてください。

頭の中で考えるだけでなく、実際に紙に書き出してみることをおすすめします。

モチベーショングラフを作る

モチベーショングラフとは、皆さんの人生におけるモチベーションの動きを可視化したもの。基本的には、縦軸に「モチベーションの大きさ」、横軸に「時系列」を設定して、グラフを作成していきます。

例えば、以下の画像を参考にしてください。

モチベーショングラフを作ることで、自分の性格や価値観などを客観視することができます。また、「自分はどのような時に喜びを感じるのか」「どのような環境で強みを発揮できるのか」なども把握しやすいです。自己PRを考える際だけでなく、企業選びや職種選びをする際にも大きく役立つでしょう。

専門サービスを活用する   

専門の自己分析ツールを活用するのもおすすめです。

自己分析ツールとは、自分の性格や価値観などを分析してくれるサービスのこと。簡単な質問に答えていくだけで、長所や短所、さらには向いている職業なども診断してくれます。

基本的には無料で利用できますし、回答にかかる時間は数分程度なので、気軽に試すことが可能です。様々な自己分析ツールが存在しますので、興味のある方は、ぜひ調べてみてください。

2.企業研究を行う

自己分析が終わったら、続いて、企業研究を行いましょう。

まずは、以下のような基礎情報をリサーチしてください。

・事業内容
・ビジネスモデル
・業績
・同業他社との違い
・社風
・労働条件
・採用情報

自分に適した会社かどうか、働きたいと思える会社かどうか、しっかりとチェックすることが大切です。

そのうえで、志望先企業が、新卒採用活動にあたり「どのような人材を求めているのか」を徹底リサーチしてください。「相手企業が求めている人物像」と「自分の強みや性格」がマッチしなければ、当然採用されにくくなります。嘘をついてまで「求める人物像」に合わせに行く必要はありませんが、「どのような強みをアピールした方が効果的なのか」くらいは研究しておきましょう。

なお、企業の求める人物像については、ホームページやパンフレット、各種求人サイトなどに掲載されています。また、OB・OG訪問を行い、直接先輩社員に話を伺ってみるのも良いでしょう。

3.自己PRの構成を考える

自己分析や企業研究が終わったら、いよいよ自己PRを作成していきます。いきなり文章を書き始めるのではなく、まずは、文章全体の構成を考えましょう。絶対的な正解はありませんが、基本的には、以下のような構成にすることをおすすめします。

【自己PRの構成・フレームワーク】
1.結論:自分の強みや長所を端的に伝える
2.具体的なエピソード:自分の強みや長所を裏付ける具体的なエピソードを語る
 2-1.課題:どのような課題があったのか
 2-2.行動:課題を解決するためにどのような行動をとったのか
 2-3.結果:結果的にどのような成果が得られたのか
3.締め:自分の強みや長所を活かして、企業にどのように貢献できるのかをアピールする

4.文章を書く

上記のような構成・フレームワークに沿って、自己PRの文章を書いていきましょう。自己PRの具体例については、次章に掲載していますので、ぜひ参考にしてみてください。

【文章を書く際のポイント】
・手書きの場合は、とにかく丁寧に
・文字は大きすぎず小さすぎず
・空欄や空白は残さない
・エピソードは1つだけにする
・なるべく具体的な話をする

 5.文章をチェックする

自己PRの文章を書き終わったら、必ず何度もチェックするようにしてください。

1回で完璧な文章を書ける人は、ほとんどいないでしょう。何度も推敲を繰り返し、より読みやすい文章・より伝わりやすい文章を作成していくことが大切です。

また、当然ですが、誤字脱字はゼロにしましょう。自己PRの内容が素晴らしくても、誤字や脱字があると、採用担当者にネガティブなイメージを与えてしまうからです。

自分の強みを活かした自己PR例【新卒採用版】

最後に、「自己PRの記述例」をいくつか紹介していきます。

・学業をベースにした自己PR例
・サークル活動をベースにした自己PR例
・課外活動をベースにした自己PR例
・アルバイトをベースにした自己PR例

ぜひ参考にしてみてください。

学業をベースにした自己PR例

私の強みは継続力です。

大学1年生の時、アメリカからの留学生と話す機会があり、初めて海外の価値観に触れました。もっと深く知りたい、もっとコミュニケーションを取りたいという思いから、英語力の向上を目指すことにしました。

私は元々英語が苦手であり、TOEICの点数は400点程度しかありませんでした。しかし、1日2時間の英語学習を2年間毎日続けることで、基礎的な文法からリスニングまで、幅広い知識・スキルを身につけることができました。その結果、大学3年生の春に、TOEICで750点を取得することに成功しています。

貴社に入社した後も、たとえ任された業務が苦手なことだったとしても、持ち前の継続力を活かして実力を伸ばし、大きな成果を上げていきたいと考えております。

サークル活動をベースにした自己PR例

私の武器は「チャレンジ精神」です。

私は登山サークルに所属しており、国内外含め様々な山を登ってきました。「まだ見たことのない景色が見たい」という思いが強く、地形的に難易度の高い山や、先輩メンバーが登ったことのない山にも挑戦しています。

もちろん辛いこともありますし、めげそうになることもあります。しかし、難易度の高い山であればあるほど、見渡せる景色はまさに絶景であり、大きな達成感を得られます。

社会人になってもチャレンジ精神を忘れず、どんな困難にも果敢に挑戦し、貴社の利益に貢献できればと思っております。

 課外活動をベースにした自己PR例

私の強みは傾聴力です。

私は老人ホームでボランティアをしているのですが、はじめの頃は「一生懸命介護対応しているのに嫌がられてしまう」ことが多かったのです。そこで先輩に相談したところ、「もっと相手の意見に耳を傾けた方がいいよ」というアドバイスを頂きました。

それからは「どんなことに困ってるの?」「何をしてほしいの?」という質問を欠かさないようにして、とにかく相手の意見を聴くことを心掛けるようにしました。その結果、信頼関係が構築されていき、最終的には「〇〇さんを呼んでほしい」と1日に何度も指名されるようになりました。

貴社の企業理念である「お客様の利益を第一に」を忘れずに、常に顧客の意見に耳を傾け、顧客全員が幸せになるような接客サービスを提供していきます。

アルバイトをベースにした自己PR例

私の強みは、お客様と良好な関係を構築するコミュニケーション能力です。

居酒屋のホールスタッフとして、約2年間、接客業務に従事してきました。特に心掛けているポイントは、お客様とアイコンタクトをとり、自然な笑顔で対応すること。当たり前のことですが、コミュニケーションにおいて最も大切なことだと考えています。また、料理を運ぶ際、お客様と一言だけでいいから会話してみることを意識してきました。

その結果、「〇〇さんがいるからまた来るよ」と言ってもらえることが増え、たくさんの人に名前を覚えていただきました。

このような経験を通して培ったコミュニケーション能力は、貴社に入社した後も大いに役立つものだと考えております。

まとめ                             

就活生向けに、「自己PRの書き方」について分かりやすく解説しました。

採用担当者は、自己PRを読むことで、「その人は何が得意でどのような素質があるのか」「自社の求める人物像とマッチしているか」などを知りたいと思っています。

ぜひ当記事を参考にしながら、自分ならではの魅力的な自己PRを考えてみてください。皆さんの就職活動が成功することを心から願っております。