<目次>
はじめに
業界研究の基本
企業研究の基本
情報収集のポイント
まとめ

はじめに

就活を進めるにあたって、業界研究と企業研究は必須となる準備です。しかし、就活を始めたばかりの人にとっては「実際に何をすればいいの?」「そもそも何で業界研究や企業研究をしなければならないの?」と疑問に思うこともあるでしょう。

この記事では、業界研究・企業研究のやり方や重要性についてご紹介します。ノートを使って情報をまとめる方法も取り上げるので、何から就活を始めればいいのかわからない人はぜひ最後まで読んでみてください。

業界研究・企業研究の重要性 

業界研究・企業研究とは、志望する業界または企業の情報を調査し、概要を把握することです。力を入れて取り組むと、以下のようなメリットがあります。

メリット理由
選考突破率が上がる面接などで志望度の高さをアピールする回答ができるから
ミスマッチを防ぐ企業側が求めている人材を認識することで、自分に合った企業を見つけられるから
気になる業界・企業を増やせる今まで知らなかった業界や企業を知り、自分の可能性を広げられるから

このように就活を有利に進めることができるため、業界研究・企業研究は非常に重要です。

業界研究の基本

この段落では、業界研究に関する基本的な情報をまとめました。      まずは業界研究から就活をスタートさせて、気になる業界を見つけましょう。

業界研究の目的とは?

業界研究の目的は、主に「志望業界に関する詳しい情報を知ること」と「志望業界を絞ること」です。

業界研究を実施しなければ、志望業界に関する実態がつかめません。データに基づいた正確な知識を知ることで、イメージだけではない正しい認識を得ることが可能です。

また、複数の業界に興味関心がある場合は、より自分が働きたいと思える業界を絞り込めます。

業界研究のステップと方法

業界研究を進める際は、以下のステップに沿って情報を集めましょう。

  • ①気になる業界をいくつか選ぶ
  • ②業界のビジネスモデルをおおまかにつかむ
  • ③業界の将来性を調べる

①気になる業界をいくつか選ぶ

業界には、大きく分けて9種類の業界があります。

  • メーカー
  • 商社
  • 小売
  • サービス
  • 金融
  • マスコミ
  • 建設、不動産
  • 通信、ソフトウェア
  • 官公庁、公社、団体

これらの中から、興味がある業界を選ぶ必要があります。「自分は、『ものをつくる仕事』と『ものを売る仕事』のどちらに惹かれるのだろう?」「日常生活の中で関心がある分野は何だろう?」と問いかけることで、志望業界が見えてきますよ。

②業界のビジネスモデルをおおまかにつかむ

まずは業界を「広く浅く」知ることが大切なので、選んだ業界のビジネスモデルを理解していきます。

  • 扱っている商品・サービス
  • 顧客
  • 営業手法
  • 市場規模

業界のマーケットにおける現状を把握し、全体的な構造を把握しましょう。

③業界の将来性を調べる

続いて、業界の動向から将来性を推測していきます。将来的な成長が見込めない業界を選んでしまうと、入社後に後悔する可能性があるからです。利益推移などを調べて「狭く深く」業界を調査し、将来性がある業界なのかどうかよく確認してください。

業界研究の方法5選

業界研究の具体的な方法には、さまざまな種類があります。それぞれに特徴があるので、自分に適したものを選びましょう。

業界研究の方法内容・特徴
就職四季報、業界地図就職四季報:業界別に企業の情報が掲載された書籍
業界地図:各業界の事業内容やシェアなどが掲載された書籍

これらを読むことで、業界の概要を知ることができる
新聞、ニュースアプリ業界における最新トレンドをつかめる
就職情報サイトおおまかな業界の情報を把握できる
セミナー、説明会合同説明会などで開催されることが多い
疑問点を会場の担当者に質問できる

これらの方法で得た情報を業界研究ノートにまとめると、今後の就活に活用しやすくなります。

業界研究ノートの作成方法とコツ

業界研究ノートとは、自分で調べた業界の情報をわかりやすく整理したノートです。企業に提出することはないので、紙媒体やエクセルなど、自分にとって一番見やすい形式でまとめましょう。具体的な作成方法は、以下の通りです。

  • ①業界の基礎情報を書き出す
  • ②ほかの業界と比較する
  • ③適宜情報を更新する

①基礎情報を書き出す

各業界ごとに、以下のような情報をまとめていきます。

  • 業界名
  • 企業群および企業名
  • ビジネスモデル
  • 市場規模
  • 関連業界
  • 将来性
  • 現在の最新ニュースやトレンド
  • 理想の人物像

②ほかの業界と比較する

業界についてまとめたページが増えたら、複数の業界を比較してください。各業界における事業内容、将来性、魅力、懸念点などについて表でまとめましょう。複数の業界を一覧化することで、とくに志望度の高い業界や、優先したい就活の軸などが見えてきます。

③適宜情報を更新する

新しい情報を手にした際は、そのたびにノートの情報を更新します。もし情報を上書きしなければならない場合は、古い情報を消さずに残しておきましょう。

業界研究ノート作成のコツ

業界研究ノートをうまく作成するには、以下のようなポイントに注意してください。

  • データと感想を分けて記載する
  • 就活終了時まで情報を更新し続ける
  • 余裕があれば社会情勢なども盛り込む

とくに、データと感想を分けて整理することは非常に重要です。個別の欄を作って、それぞれの内容が混在してしまわないように工夫しましょう。

企業研究の基本

ここからは、企業研究の基礎情報をご紹介します。業界研究がある程度進んだら企業研究を実施し、選考に活かせる準備を整えていきましょう。

企業研究の目的とは?

企業研究の目的は、「自分が活躍できる職場を見つけること」と「志望動機を具体化すること」です。

気になる企業についてより詳しい情報を調べることで、自分の性格ややりたい仕事にマッチした職場を見つけることができます。

これに加えて、より内容が充実した志望動機をつくることも可能です。ほかの企業では達成できない目標などを提示することで、入社への熱意を伝えられます。

企業研究のステップと方法

このようなステップに沿って、企業研究を進めてください。

  • ①企業の基本情報を調べる
  • ②社風や働き方を確認する
  • ③業界内における立ち位置を把握する
  • ④将来性の高さをチェックする

①企業の基本情報を調べる

まずは、該当企業の基本的な情報をまとめます。

  • 企業名(正式名称)
  • 設立年
  • 代表者
  • おおまかな歴史
  • 社員数
  • 売上高
  • 事業内容
  • 経営理念
  • 平均給与
  • 就業時間
  • 休日
  • 選考フロー

②社風や働き方を確認する

次に、企業の社風や働き方を詳しく調べ、働きやすい企業であるかどうかを確認します。

  • 勤務地
  • 転勤の有無
  • リモートワークの対応有無
  • 人事評価制度
  • 残業時間
  • 社員の平均年齢
  • 有給取得率
  • 育休取得率
  • 福利厚生

上記のような項目について情報をまとめておくと、複数の企業で迷ったときの決め手となります。

③業界内における立ち位置を把握する

続いて、該当企業が業界内でどのようなポジションにあるのか理解しましょう。はじめて企業研究をおこなう人でもやりやすいのは、「市場規模」「売上高」「利益率」を調べる方法です。

  • 市場規模:世界全体や国内の市場規模と比較する
  • 売上高:業界全体のトップ5と該当企業のデータを調べ、シェアを把握する
  • 利益率:業界内の平均値および同業他社とデータを比較する

複数の観点から企業の情報を調べることで、説得力のある答えが出せます。

④将来性の高さをチェックする

最後は、ここまで調査したデータをもとにして、企業の将来性を調査します。業界内での立ち位置や社員の働きやすさから、「これから成長していけそうな企業かどうか」を判断しましょう。

企業研究の方法5選

企業研究を実際におこなう場合、このような方法をおすすめします。

企業研究の方法内容・特徴
企業の公式サイト
新卒採用ページ
まずチェックすべき内容。
求める人物像なども見えてくる。
会社説明会社員が働いている様子を見られることもある。
疑問点を会場の担当者に質問できる。
インターン実際に社内の業務を体験できる。
職場の雰囲気や働きやすさを確認できる。
OB・OG訪問一対一でより詳しい話を聞ける。
キャリアプランの参考にもなる。

企業研究の際も、上記の方法を通して得た情報をノートにまとめることをおすすめします。

企業研究ノートの作成方法とコツ

企業研究ノートとは、企業研究で得た情報やデータを紙媒体やPCファイルに整理したものです。以下の手順で作成してみましょう。

  • ①企業の基本情報を書き出す
  • ②詳細情報を記載する
  • ③同業他社と比較する
  • ④意見や疑問点を書く

①企業の基本情報を書き出す

最初に、調査した基本情報(企業名、設立年、代表者、歴史、社員数など)を表にまとめます。もし調べてもわからない部分があったら、該当部分は空欄にしておきましょう。

②詳細情報を記載する

次に、さらに詳しい情報を調査して追記していきます。具体的には、「強み・弱み」や「具体的な採用情報」などが例に挙げられるでしょう。とくに「強み・弱み」は面接で頻繁に尋ねられる質問でもあるので、具体性を持った内容を記載しておくと今後に役立ちます。

③同業他社と比較する

その後は、整理したデータをもとに同業他社との相違点を考えます。

  • 事業規模
  • 取引先や販売先の内容
  • 資本構成

上記のポイントに沿って情報を比較していくと、該当企業特有の強みが見えてきます。逆に他社の魅力が見えてくることもあるでしょう。こうして、業界内での志望度の高さをランク付けできます。

④意見や疑問点を書く

最後に、企業研究を通して感じた自分の感想を記載してください。事業内容を見て思った疑問点などを記録しておくと、関連した質問を面接で尋ねられた時にすぐ回答できます。

企業研究ノート作成のコツ

選考に活かせる企業研究ノートを作成するには、いくつかのコツがあります。

  • 信頼できる情報源から調べた情報を書く
  • 企業の悪い面も把握する

この中ではとくに、信頼できる情報のみを記載することに気を付けましょう。間違った情報をもとに企業研究を進めてしまうと、選考時に悪い評価を受ける可能性があるからです。

情報収集のポイント     

業界研究・企業研究をうまく進めるには、適切な情報を収集する必要があります。

信頼性の高い情報源の選び方

信頼できる情報源から情報を取得するように心がけると、誤った情報を参考にすることを防げます。

  • 企業の公式サイトや大手就活支援サイトなどを使う
  • 複数の情報源をチェックする
  • 極端な意見は参考にしない

信頼性の低い個人ブログやまとめサイトは、あくまで参考程度にとどめましょう。

効率的な情報収集の方法

適切な情報を効率よく収集するには、以下のような方法がおすすめです。

  • SNSを活用する:企業の公式アカウントをフォローし、最新情報をチェックする
  • 情報の種類を分類する:「業界や企業における基本データ」「選考で役立つ情報」「他社と比較して感じたこと」などを混在させない
  • キャリアセンターを利用する:自分の学部にマッチした情報を提供してもらえる

時間を有効に使って、最大限の効果を発揮しましょう。

まとめ        

業界研究・企業研究の取り組み方の再確認

業界研究や企業研究は、志望企業から無事に内定を獲得するために必須です。より大きな効果を出すために、収集した情報をノートにまとめることをおすすめします。

新卒学生にとっての次のステップ

業界研究と企業研究をクリアできたら、次は各企業の選考に向けてES作成や面接の準備に入ります。面接で問題なく質問に答えられるように、業界研究や企業研究で学んだ内容の深堀りをおこなってください。

スムーズに内定を獲得するには、早い時期に業界研究と企業研究を済ませておくことが大切です。今回ご紹介した方法を参考にして、まず自分がするべきことを整理してから始めてみましょう