就活を成功させるためには、志望動機で熱意やこれまでの経験をアピールすることが重要です。しかし「志望動機の書き方がわからない」と悩んでいる方も多いでしょう。

そこで、この記事では志望動機の書き方を解説します。重要なポイントやNG例も紹介するので、志望動機に自信がない方は最後までご覧ください。

志望動機の基本構成

志望動機の基本構成は以下の通りです。

  • 志望する理由
  • 志望する理由を裏付けるエピソード
  • 入社後に実践したいこと
  • 締めくくり

志望する理由

志望動機ではその会社や職種に対する興味と、そこで働きたいと思った具体的な理由を記載することが重要です。これにより、自分がその職に対してどれだけ情熱を持っているかを企業側に示すことができ、意欲的な人材として評価される可能性が高まります

志望する理由を裏付けるエピソード

志望する理由を書いたら、その理由を裏付けるエピソードを記載しましょう。志望する理由を裏付けるエピソードを盛り込むことで、採用担当者に強い印象を与えられます。たとえば、メーカーを志望する理由として「製品開発における環境問題への配慮に共感いたしました」と記載するのでは熱意が十分に伝わりません。

しかし「大学時代に環境問題に取り組む研究室で実施していたプラスチック廃棄物を減らす研究の経験を活かして、貴社の環境に配慮した製品開発に貢献したい」と具体的に述べることで、あなたの志望度の高さを強くアピールできます。

入社後に実践したいこと

志望理由を具体的に記載したら、入社後に実践したいことを書きましょう。どのような貢献をしたいのかを具体的に示すことで、その企業に対する志望度と熱意をアピールできます。たとえば、志望動機に「貴社のデジタルマーケティングの強化に貢献したい」と書く場合、具体的にどのスキルや手法を使って貢献するかが明確でないため、採用担当者は具体的なイメージが湧きにくいです。

一方で「入社後はウェブ解析のスキルを活用して、貴社のオンライン広告の効果を分析し、改善提案を行いたい」と記述すれば、採用担当者にはあなたが具体的にどのように貢献できるかイメージしてもらえます。

締めくくり

入社後の展望を記載したら、最後に締めくくりの文章を書きましょう。締めくくりをしっかりと記載することで、自分の志望理由を再度強調し、採用担当者に対して強い印象を与えられます

関連記事:【例文あり】志望動機の締めくくり方15選!内容や注意点も解説

志望動機を書くときのポイント

志望動機を書く際は、以下の5点を押さえておくことが重要です。

  • 結論から書く
  • 具体的な内容を書く
  • 適切な文章量でまとめる
  • 自分の言葉で伝える
  • 提出前に読み直す

結論から書く

志望動機を書く際は、必ず結論から書き始めましょう。結論から書き始めることで何を伝えたいかが明確になり、スムーズに内容を理解できるようになります。ビジネスでは結論から書き始めることを「結論ファースト」と呼び、業界・職種問わず重要視されています。入社後も必要になる考え方なので、就活のうちから意識するのがおすすめです。

具体的な内容を書く

志望理由はできるだけ具体的に書き、単なる一般論や抽象的な表現でないことを示すことが大切です。たとえば「貴社の製品に興味があります」と書いた場合、採用担当者はどの程度興味があるのかが理解できません。

一方で「記者が開発した新型エコカーの環境に配慮した設計に大変興味を持ちました。大学での環境工学の専門知識を活かし、貴社で持続可能な車の開発に携わり、CO2排出量削減に貢献したいです」と具体的に述べることで、採用担当者に志望度が高いと認識してもらえます。そのため、志望動機に説得力を持たせるためにも、志望動機には具体的な製品名・専門知識・スキル・貢献できる分野を書きましょう。

適切な文章量でまとめる

志望動機は具体的に書く必要がありますが、適切な文章量に収めることも重要です。読み手である採用担当者にとって理解しやすい文章量にすることで、最後までスムーズに読んでもらえます

文字数制限がある場合は、制限の9割以上執筆することで自身の経験やスキルを十分にアピールし、採用担当者に詳細な情報を伝えることが可能です。文字数制限がない場合は、300文字程度にまとめることで情報を簡潔に伝えられ、採用担当者が全体の内容をスムーズに把握できるようになります。

自分の言葉で伝える

自分自身の思いや個性を伝えるためには、自分の言葉で志望動機を書くことが重要です。書籍やネットの例文を参考にすると、形式的に整った文章が書けるものの、単に真似るだけでは他の就活生と同じような内容になりがちです。そのため、自分ならではの経験や考えを表現して、他の応募者と差別化を図りましょう。

提出前に読み直す

志望動機を書き終わったら、提出前に1度読み直しましょう。執筆時には誤字脱字がないと思っていても、読み直すと漢字や送り仮名が間違っていることはよくあります。誤字脱字やミスが多いと採用担当者に「入社後もミスをするのではないか」と心配させてしまうため、必ず提出前に見直してミスがないかをチェックすることが重要です。

志望動機の例文3選

就活生に人気の業界3つの志望動機の例文を紹介します。

  • IT業界
  • 広告業界
  • メーカー

IT業界を志望している場合

私は情報技術を通じて社会に貢献したいという強い気持ちを持っているため、より大きな影響を与えられる貴社のIT部門で働きたいと考えております。

大学では情報工学を学び、サークル活動ではプログラミングコンテストに出場しておりました。チームで1からアプリを開発し、最終的には最優秀賞を受賞することができました。この経験から技術だけでなく、チームで協力して課題を乗り越えることの重要性を学びました。

入社後はプログラミングスキルと情報工学の知見を活かして、貴社が開発しているAI技術をさらに進化させたいと思っております。特に、人工知能がこれからの社会で果たす役割について深く学んだため、実際に社会問題の解決に貢献するプロジェクトに携わりたいです。

貴社の企業理念である「技術の力で世界を変える」にも強く共感しているため、貴社のIT部門で新しいAI技術を開発したいと思っております。

広告業界を志望している場合

私は広告業界の新しいアイデアで製品を市場に浸透させ、消費者の生活を変える点に興味を持っています。特に印象的だったのは、貴社が実施した「スパークリングウォーターキャンペーン」です。このキャンペーンでは、夏季に向けて野外イベントやSNS広告が展開され、製品の爽やかなイメージと健康への配慮が効果的に伝えられました。

入社後は、大学時代に行なっていた企業のインスタグラム運用代行の知識を活かして、クライアントのブランドをさらに際立たせるような新しいキャンペーンを開発したいです。貴社のクリエイティブで前向きなチームの一員となり、消費者に愛されるブランド作りの一端を担いたいと思っております。

メーカーを志望している場合

私が貴社に興味を持ったのは、モノづくりを通じて実際に社会に貢献できる点に魅力を感じるからです。特に、貴社が2021年から取り組んでいる環境に配慮した製品開発には深く共感しております。

貴社では、大学時代に学んだ環境工学と地域ボランティアでのリサイクルプロジェクトに参加した経験が、貴社のサステナブルな事業に貢献できると考えております。

入社後は環境工学と廃棄物に関する知見を活かして、貴社のサステナブルな製造工程のさらなる改善に貢献したいと考えております。具体的には、エネルギー効率のよい製造方法の研究や、リサイクル可能な素材の使用に関するプロジェクトに携わりたいです。貴社で働くことで、環境工学の専門知識をさらに深め、持続可能な社会の実現に向けて貢献できると確信しております。

志望動機のNG例5選

多くの就活生が書いてしまう、適切でない志望動機の文章を5つ紹介します。

  • 貴社のサービスが素晴らしいと感じたからです
  • 残業が少ないからです
  • プライベートと両立させたいからです
  • 貴社の理念に共感したからです
  • 貴社で学ばせていただきたいです

貴社のサービスが素晴らしいと感じたからです

単に「サービスが素晴らしい」と書くだけでは、どの点に興味を持ったのかが伝わりません。そのため、もっと具体的な理由や関連するエピソードなどを記載して、志望動機を効果的に伝えることが大切です。

たとえば「貴社の再生エネルギー事業に対する熱意に感動しました。大学で学んだ環境化学の知識を活かして、新たなエネルギープロジェクトの開発に携わりたいです」と書くことで、具体的で説得力がある志望動機になります。

残業が少ないからです

残業が少ない企業に入りたい学生は多いですが、志望動機に直接書くのは避けましょう。このような表現をすると、自分自身のキャリアや企業への貢献意識よりも、勤務条件に重きを置いていると判断される可能性が高いです。そのため、勤務条件に魅力を感じたとしても、志望動機では実現したいキャリアやどのように企業に貢献できるかを伝えることが大切です。

プライベートと両立させたいからです

仕事とプライベートを両立することは大切ですが、志望動機に直接記載するのは好ましくありません。企業側は仕事に情熱を持ち、会社の成長に貢献しようとしている学生を求めているため、私生活を優先していることをアピールするのは逆効果になります。そのため、プライベートを充実させるために在宅勤務の企業や残業が少ない企業を選んでいたとしても、志望動機ではその企業で何を成し遂げたいかを中心に語ることが重要です。

貴社の理念に共感したからです

企業理念に共感した場合は、本当に理念に共感したことを伝えるために具体的に理由を記載することが大切です。なんとなく理念がよいと思っただけでは、面接官に「具体的に理念のどの点に共感しましたか?」と質問された場合、的確に回答できません。そのため、志望動機に企業理念の話題を入れる場合は、理念に共感した理由を具体的に考えておくことが重要です。

たとえば「貴社のお客さま第一の姿勢に共感し、アパレル販売員のアルバイトをした経験から、顧客の満足度を最優先に考える姿勢が貴社の業務に活かせると確信しております」と具体的な経験を結びつけて語ると、一般的な感想ではなく理念に共感して企業に貢献できるということを具体的に伝えられます。

貴社で学ばせていただきたいです

志望動機で自分のスキルアップについて書くのは避けましょう。もちろん、入社後は研修やOJTなどで成長の機会を提供してくれますが、企業は自社の利益のために従業員を育成しています。そのため、自身のスキルアップを最優先にしていると、すぐに転職するのではないかと不安を与えかねません

さらに、学びの機会に重点を置いていると、成長する機会を待っている受け身の姿勢だと判断される可能性が高いです。そのため、志望動機では自ら積極的に挑戦して、企業に貢献するという思いを伝えることが重要です。

まとめ

この記事では、志望動機の書き方やNG例を紹介しました。志望理由やエピソードを具体的かつ分かりやすく伝えることで、採用担当者にやる気や熱意をアピールできます。そのため、書類選考の通過率を上げたい方は、NG例やポイントを確認しながら志望動機を書いてみてください。