面接対策講座等で出会う学生さんから、「面接での話題は、エントリーシートに書いた内容と同じ話でいいのか?違う話のほうが良いのか?」という質問を多くいただきます。
質問する学生さんからは、「同じ話だと、話題が少ない学生と思われてしまいそうだし、かといってエントリーシートとは全く違う話をすると、印象が悪くなってしまうような気がするので、とても迷ってしまう。」という理由で質問をしているようです。皆さんはどのように考えますか?

「エントリーシート」と同じエピソードの場合

エントリーシートに書いたことを、面接でも伝えたいと考えること自体は、とても自然なことかもしれません。文字数制限がある中で選択した練りに練ったエピソードは、皆さんの「伝えたいこと」をよく表す内容である場合が多いのではないでしょうか。気を付けるべきことは、文字数制限付きのエントリーシートに記載したエピソードを書いたままの内容で話すことです。そのままの話をしただけでは、ボリュームが圧倒的に足りません。

また、言葉を整えるために固い表現が多い「書き言葉」をそのまま話すことで、ただ原稿を読み上げているような印象となってしまい、皆さんが思った以上によい印象とはなりません。

聞き手に分かりやすく話すために、エントリーシートにおさめるために削った内容を復活させましょう。また、面接官が聴き取りやすいように、「話し言葉」を使うことを意識して話す必要があります。

「エントリーシート」と異なるエピソードの場合

エントリーシートを書いてから面接で話すまでには、少し時間が経過しているものです。例えば、卒業論文や卒業研究をテーマにした内容であれば、状況が変わってきている場合もあるかと思います。学生時代に力を入れたことが、さらに内容が発展していく場合もあるかもしれません。その場合、異なるエピソードを話すこと自体は全く問題ありません。ただ、エピソードのバリエーションの多さを目的にしてしまうと、何を伝えたいのかポイントが「ぼやけてしまう」ことがあるかもしれません。

「伝えたいこと」をわかりやすくするという目的ためにエピソードを話すという手段があるので、「伝えたいこと」がそれぞれのエピソードで一貫しているかどうかを、整理しておく必要があります。

同じか違うのか、そこが問題ではない

ここまで読んでいただければ、エピソードを何のために話すのかが大切であるということを、わかっていただけたのではないかと思います。エピソードの内容に気を取られるあまり、話す内容を暗記することだけにエネルギーを割いてしまわないよう注意しましょう。