
心理学部での学びを活かすためには、自分に合った就職先を選ぶことが大切です。しかし「具体的な就職先がイメージできない」「心理学部に向いている職種がわからない」と悩んでいる方も多いでしょう。
そこで、この記事では心理学部の学生におすすめの就職先10選を解説します。さらに、心理学を活かせる人気職種や就活に役立つ資格についても紹介するので、心理学部の方は最後までご覧ください。
心理学部におすすめの就職先8選

心理学部におすすめの就職先8選は、以下の通りです。
- 学校・教育業界
- 児童相談所
- 病院
- 福祉施設
- 高齢者施設
- 公務員
- 人材業界
- 一般企業(IT業界や製造業など)
学校・教育業界
教育現場では、子どもの心のケアやカウンセリングの需要が高まっているため、心理学の知識が直接役立ちます。たとえば、スクールカウンセラーとして、いじめや家庭問題などの子どもが抱えるさまざまな悩みに対応できます。
また、学校内での心理的なサポートを行うことで、生徒たちの学習意欲や学校生活の充実度を向上させ、子どもたちの健全な成長を支えることが可能です。
児童相談所
児童相談所では、虐待や非行などの問題を抱える家庭に対して、心理学的アプローチを用いて適切な支援を提供します。たとえば、家庭内でのトラブルが原因で心に傷を負った子どもに対して、カウンセリングを通じて心のケアを行い、安心できる環境を整えます。
児童相談所は地域社会との密接な連携が必要なため、地元に根ざした活動が多いのが特徴です。
病院
精神科や心療内科では、心理カウンセラーとして患者の治療に参加し、心理的なケアを行います。具体的には、うつ病や不安障害などの症状を持つ患者に対して、カウンセリングを通じて回復をサポートする業務があります。
医師や看護師と協力して患者の治療計画を立てるため、心理学の専門知識を活かして医療現場に貢献したい人におすすめの職場です。
福祉施設
福祉施設では、障害者や経済的に困難な状況にある人々が心のケアを必要としています。そのため、心理カウンセラーとして利用者の心理的な問題を理解し、日常生活におけるストレスや不安を軽減するための支援を行います。
また、利用者の家族との面談を通じて、家庭でのサポート方法を助言することも多いです。
高齢者施設
高齢者施設では、入居者が抱える孤独感や喪失感を和らげるために、心理的な支援が求められます。たとえば、心理カウンセラーとして高齢者が抱える不安や悩みを聞き、心のケアを行う業務があります。
そのため、高齢者の心のケアに関心があり、社会福祉に貢献したいと考えている人におすすめの就職先です。
公務員
地方公務員や国家公務員には、心理学の知識を活かして働く仕事が多いです。地方自治体の児童福祉担当者では、家庭内問題や児童虐待のケースに対応し、必要な支援を提供する業務があります。
また、保健所に勤務するカウンセラーは、住民の心理的健康を守るための相談業務を行います。公務員は一般企業と比べると雇用が安定しており、福利厚生が充実しているため、安定した職を求めている人におすすめです。
人材業界
人材業界では、求職者の適性や能力を見極め、最適な職場にマッチングさせることが求められます。たとえば、キャリアコンサルタントとして求職者の希望やスキルをヒアリングし、その人に最適な職場を提案する仕事があります。
そのため、心理学の知識を活かして人々のキャリア形成をサポートしたいと考えている人に適した業界といえるでしょう。
一般企業(IT業界や製造業など)
IT業界や製造業などの一般企業では、従業員のモチベーション向上やチームワークの改善、ストレス管理が重要視されています。そのため、人事担当者として、従業員研修やキャリア開発プログラムの策定に心理学的視点を取り入れることで、従業員のスキルアップやモチベーション維持に貢献することが可能です。
さらに、作業員のメンタルヘルス管理や職場環境の改善を担当し、生産性を向上させるためのサポートを行う業務もあります。
心理学部の学生に人気の職種9選

心理学部の学生に人気がある職種は、次の9つです。
- 心理カウンセラー
- メンタルトレーナー
- 人事職
- 営業職
- マーケティング職
- 心理学者
- 生活相談員
- 家庭裁判所調査官
- 法務技官
心理カウンセラー
心理カウンセラーは、不安や心の悩みを抱える人に対して、カウンセリングを通じて解決の手助けをする職業です。具体的には、スクールカウンセラーや病院での臨床心理士として、さまざまな年齢層や背景を持つ人々に対して心理的支援を行います。
カウンセリング技術や心理療法の専門知識が必要になる仕事なので、心理学を学び続けたい人に適した職業といえるでしょう。
メンタルトレーナー
メンタルトレーナーは、スポーツ選手やビジネスパーソンのメンタル面をサポートする仕事です。たとえば、アスリートに対しては、試合前のプレッシャーを克服するためのメンタルテクニックを教える業務があります。
また、経営者や営業担当者に対して、ストレス管理や集中力の向上を目的としたコーチングを行うこともあります。
人事職
人事職は企業内での人材管理や採用、教育などを担当する職業です。人事制度や研修を通じて、社員のモチベーション向上や組織の効率化を図るため、心理学の知識が重要な役割を果たします。
さらに、社員のキャリア開発やメンタルヘルス対策を企画・実施し、働きやすい職場環境を整えることも重要な役割です。
営業職
営業職では顧客とのコミュニケーションが重要になるため、話し方の心理テクニックや顧客ニーズを理解する心理学が活かせます。たとえば、ミラーリング(相手の行動を模倣する)やバックトラッキング(相手の話を繰り返す)などの心理技法は、顧客に親近感を与え、信頼を得るのに役立ちます。
そのため、心理学を活かして人と接する仕事をしたい人は、営業職を検討してみましょう。
マーケティング職
マーケティング職では、ターゲットとなる消費者の心理を分析し、効果的な広告やプロモーションを企画・実施することが求められます。たとえば、消費者の購買動機や行動パターンを調査し、それに応じた広告やプロモーションを設計することで、売上を向上させられます。
市場調査や顧客分析などのデータを分析する業務が多いため、論理的思考力が高く、数字に強い人に向いている職業です。
心理学者
心理学者は人間の行動や心のメカニズムを研究し、その知見を社会に役立てる職種です。大学や研究機関に所属し、実験や調査を通じて心理学の理論を発展させています。
また、産業心理学者として企業内での人材管理や組織行動の研究を行い、職場環境の改善に貢献することも可能です。
生活相談員
生活相談員は福祉施設や病院に勤め、利用者やその家族の相談に応じ、生活の質を向上させるための支援を行います。利用者の心理的な問題を解決するために、他の福祉職員や医療スタッフと連携し、包括的なサポートをするのが特徴です。
相談を受ける業務やケアプラン作成の援助など、心理学の知識を活かせる業務が多いため、人々の生活を支援したい人におすすめの職業です。
家庭裁判所調査官
家庭裁判所調査官は、離婚・親権・少年事件などの家族に関する問題の調査を行い、裁判官の判断を支援する役割を担います。たとえば、離婚調停では親権や養育費に関する意見をまとめ、裁判所に報告する業務があります。
少年の非行や家族内のトラブルなど、デリケートな問題を扱うため、過度に感情移入せず、冷静に状況を分析できる人に向いている職業です。
法務技官
法務技官は、刑務所や矯正施設で犯罪者の更生を支援する職業です。具体的には、再発防止のための指導やカウンセリング、受刑者の更生プログラムの策定などの業務を行います。
また、出所後の社会復帰を支援するため、学校や児童相談所と連携し、再発防止に向けた対策を講じる業務もあります。
就活に活かせる心理学系の資格9選

就活を有利に進めたい方は、以下の心理学系資格の取得も検討してみましょう。
- 公認心理士
- 臨床心理士
- 社会福祉士
- 精神保健福祉士
- 行動心理士
- 産業カウンセラー
- メンタル心理カウンセラー
- チャイルドカウンセラー
- キャリアコンサルタント
公認心理士
公認心理師は、心理的支援が必要な人々に対してカウンセリングや心理療法を行うための国家資格です。心理学の基礎知識だけでなく、臨床現場での実践経験が求められるため、医療機関や公的機関での採用で有利に働く可能性が高いです。
また、他業種でも人材管理や顧客対応の際に心理学的なアプローチを取り入れることで、職場の人間関係の改善やストレス管理に貢献できるため、幅広い職種でアピールポイントとなるでしょう。
臨床心理士
臨床心理士は、心理的な問題を抱える人々に対して診断や治療を行う専門家として認定される資格です。臨床心理士になるためには、指定された大学院での修士課程を修了し、実習を受ける必要があります。
長い歴史を持つ資格で、心理学の専門職として広く認知されているため、医療機関や福祉施設での採用を有利に進められます。
社会福祉士
社会福祉士は、福祉の現場で個人や家族が抱える問題に対して、支援やアドバイスを提供する専門家です。資格を取得するためには、大学または養成施設で指定されたカリキュラムを修了し、国家試験に合格する必要があります。
少子高齢化や精神疾患を抱える人の増加に伴い、社会福祉士の需要は今後も高まると予測されるため、福祉に関わりたい方は取得を検討してみましょう。
精神保健福祉士
精神保健福祉士は、精神的な障害を持つ人々やその家族を支援する専門職です。精神医学や社会福祉などに関する国家資格で、信頼性が高いため、医療機関や福祉施設などの幅広い業界で需要があります。
精神的なサポートが必要な人々に寄り添いたい、地域社会でメンタルヘルスに関わる仕事をしたいと考えている人は取得を検討してみましょう。
行動心理士
行動心理士は心理学の知識をもとに、人々の行動や習慣を改善するための支援を行う専門家です。不安や依存症などの問題を抱える人へのサポートだけでなく、学習環境や職場環境の改善にも役立つ資格です。
そのため、コミュニケーション能力が求められる職に就きたい人や、カウンセリングやコーチングのスキルを習得したい人は取得を検討してみてください。
産業カウンセラー
産業カウンセラーは、企業や組織で働く人々の心の健康をサポートする専門家です。取得するには、指定の講座を受講し、実技試験や筆記試験に合格する必要があります。
職場でのストレスや人間関係の問題、キャリアに関する悩みなどの解決をサポートするため、企業の人事部門や医療機関などで活躍できます。
メンタル心理カウンセラー
メンタル心理カウンセラーは、心理的な問題を抱えるクライアントに対して、カウンセリングや心理療法を行うための資格です。心理学やカウンセリングの基礎知識を学べるため、メンタルヘルスに関わる仕事に就きたい人におすすめです。
資格を取得すると、主催の一般財団法人日本能力開発推進協会が心理カウンセラーの就職先を紹介してくれるので、スムーズに就活を進められます。
チャイルドカウンセラー
チャイルドカウンセラーは、子どもたちの心理的な問題や発達に関する支援を行う専門家です。日本能力開発推進協会が運営している資格で、子どもの発達心理学やカウンセリング技法について学べます。
現代社会ではいじめや不登校の問題が増加しているため、この資格を取得することで、学校や児童福祉施設への就活で強みとなります。
キャリアコンサルタント
キャリアコンサルタントは、キャリア形成や職業生活に関する相談に応じ、適切なアドバイスや支援を提供する専門家です。資格を取得するためには、指定の養成講習を修了し、国家試験に合格する必要があります。
カウンセリング技法や労働法に関する知識を証明することで、一般企業の人事職や営業職への就活において、強力なアピールポイントとなります。
まとめ
この記事では、心理学部の学生におすすめの就職先や、就活に役立つ資格を解説しました。心理学部で学んだ知識は、学校や福祉施設、一般企業などの多岐にわたる分野で活躍することが可能です。
また、資格を取得すると心理学に関連する専門業務に従事できるため、就活を有利に進められます。そのため、就職先で悩んでいる心理学部の方は、自分に合った業界や職種をしっかりと見極め、計画的に就活を進めていくことが重要です。