
法学部で学んだ知識を社会で活かすためには、適切な就職先を選ぶことが重要です。しかし「法学部卒業後のキャリアパスが明確になっていない」「自分に適した職種が見つからない」と悩んでいる方も多いでしょう。
そこで、この記事では法学部におすすめの就職先14選を紹介します。人気の職種や就活に役立つ資格についても解説するので、法学部の学生や卒業生の方は最後までご覧ください。
法学部におすすめの就職先14選

法学部におすすめの就職先14選は、以下の通りです。
- 法曹界
- 公務員
- 金融業界
- メーカー
- 商社
- マスコミ業界
- 不動産業界
- 建設業界
- 医療業界
- コンサルティング業界
- IT業界
- 人材業界
- エンターテイメント業界
- 小売業界
法曹界
法曹界には弁護士・裁判官・検察官といった職業があり、いずれも法律の専門知識を活かせます。たとえば、弁護士は依頼者の権利を守るために、訴訟や契約書の作成を担当します。また、裁判官や検察官は司法の一部を担い、公平な裁判を通じて社会に貢献することが可能です。法曹界は専門性が高く、安定した職業であるため、法学部の学生に人気があります。
公務員
国や地方自治体の行政機関で働く公務員も、法学部で学んだ知識を活かせる職業です。たとえば、総務省や法務省などの中央省庁では、法律の知識を活かして政策の立案や法改正の準備を行います。公務員は雇用が安定しており、福利厚生も充実しているため、法学の知識を活かしたい方やライフワークバランスを重視している人に人気があります。
金融業界
金融業界には銀行や証券会社、保険会社などがあり、法律の知識を活かしたい学生におすすめの就職先です。たとえば、銀行では企業向けの融資業務や法的手続きをサポートする業務があり、法律の知識が求められます。また、証券会社では株式や債券の取引に関する、法的なアドバイスを提供する機会があります。
メーカー
メーカーでは、製品の開発から販売までの一連のプロセスに携わる法務部門で活躍することが可能です。たとえば、契約書の作成や法的リスクの管理、知的財産権の保護など、法律の専門知識を活かして企業の経営を支援します。メーカーはグローバル展開している企業が多く、翻訳や国際的な法的知識が必要になる場面もあるため、語学力を活かしたい学生にもおすすめです。
商社
商社は幅広い商品やサービスを取り扱い、国内外の取引を行うため、法律の知識が非常に重要です。たとえば、商社の法務部門では、国際契約の締結や輸出入に関する法的手続きのサポート、コンプライアンスの確保などを行います。また、商社ではプロジェクトマネジメントやリスク管理の業務に携わることもあるため、法学部で身につけた論理的思考力や分析力を活かせます。
マスコミ業界
マスコミ業界には新聞社やテレビ局、出版社などがあり、クリエイティブな仕事をしたい学生に人気の業界です。マスコミ業界では、報道に関する法的リスクの管理や著作権問題の対応、契約書の作成など、多岐にわたる業務に携わります。また、社会の動向や法改正を常に理解している必要があるため、法律の知識を学び続けたい学生にとって魅力的な就職先といえるでしょう。
不動産業界
不動産業界では、物件の売買や賃貸契約、土地開発などにおいて法的な知識が欠かせません。たとえば、契約書の作成やリーガルチェック、土地の権利関係の調整など、法律の専門知識を駆使して業務を行います。また、不動産取引には多額の資金が動くため、法的リスクの管理が非常に重要となります。
建設業界
建設業界では、建築物の企画・設計・施工・管理などの多岐にわたる業務があり、それぞれに法的な知識が求められます。たとえば、契約書の作成や法令遵守のチェック、環境関連法への対応など、法律の専門知識を活かして企業のプロジェクトをサポートします。また、建設プロジェクトには多くの関係者が関与するため、法的な問題が発生するリスクが高く、法務部門の役割が非常に重要です。
医療業界
医療業界には病院や製薬会社、医療機器メーカーなどがあり、それぞれに法的な知識が必要です。たとえば、病院で働くためには医療体制に関する法律である「医療法」を、製薬会社で働くためには医薬品の品質に関する法律である「薬機法」の知識を活かして業務を行います。また、医療業界は人々の健康と安全に直結するため、やりがいを求めている学生にもおすすめです。
コンサルティング業界
コンサルティング業界では、企業の課題解決や戦略立案に対して法律の専門知識を活かせます。たとえば、企業のM&A(合併・買収)における法的アドバイスやコンプライアンスの強化、リスク管理のコンサルティングなど、多岐にわたる業務を担当します。コンサルティング業界は給与が高く、さまざまな業界のクライアントと接することで幅広い知識と経験を得られるため、キャリアアップを目指す方におすすめです。
IT業界
IT業界は常に技術が進化しており、法的な知識が求められる場面が多いです。そのため、知的財産権の管理や契約書の作成など、法務部門での役割が重要になります。IT業界はリモートワークやフレックスタイム制など、柔軟な働き方を取り入れている企業が多いため、ワークライフバランスを重視している方におすすめです。
人材業界
人材業界では、労働法や雇用契約に関する知識が欠かせません。たとえば、企業の採用活動のサポートや労働環境の評価など、法律の専門知識を活かして業務を行います。人材業界は企業と求職者の橋渡しをし、多くの人々のキャリアを支援するため、やりがいを求める学生にとって魅力的な業界です。
エンターテイメント業界
エンターテイメント業界には映画・音楽・テレビ・ゲームなど、多岐にわたる分野があり、それぞれに法的な知識が必要です。たとえば、著作権の管理や契約書の作成、出演者やスタッフとの労働契約の調整など、法律の専門知識を活かして業務を遂行します。エンターテイメント業界は常に新しいコンテンツを作り続けるため、最新の法改正や業界動向に関心がある方に適した就職先といえるでしょう。
小売業界
小売業界は個人に商品やサービスを提供するため、消費者に関する法律の知識が不可欠です。たとえば、小売業界の法務部門では消費者保護法に関する問題解決や、仕入れ先との契約書の作成などの業務を行います。顧客対応やサプライチェーンの管理など、法務以外のスキルも求められるため、幅広い知識と経験を積みたい学生におすすめの業界です。
法学部の学生に人気の職種5選

法学部の学生に人気の職種は、以下の5つです。
- 法務職
- 人事労務職
- 総務職
- 経理職
- 営業職
法務職
法務職では企業や組織の法律関連の問題を担当し、法的リスクの管理や契約書の作成・チェック、コンプライアンスの強化などを行います。たとえば、企業が新しいビジネスを展開する際には、法的な問題点を事前に洗い出し、適切な対応策を実施する役割を担います。法務職は企業の経営戦略にも深く関与することが多く、経営陣とのコミュニケーションをとる機会もあるため、ビジネスの理解も不可欠です。
人事労務職
人事労務職は企業の人事管理や労務管理を担当し、労働法や雇用契約に関する知識を活かして業務を行います。たとえば、採用活動の計画や労働条件の設定、従業員の労働環境の改善に取り組みます。また、労働関係のトラブルに対処する必要があるため、労働基準法にもとづいた適切な対応が求められる仕事です。
総務職
総務職は企業の運営を支えるための幅広い業務を担当し、法的知識を活かして様々な業務をサポートします。たとえば、社内規程の整備やコンプライアンスの推進、各種契約書の管理などを行います。また、社内外の調整役として法律にもとづく適切な対応が求められるため、幅広いスキルを習得したい方に適した職種です。
経理職
経理職では法律の知識を活かし、企業の財務状況を適切に管理することが重要です。たとえば、税法や会社法の知識を持っていることで、法にもとづいた適切な会計処理が可能になります。また、企業の財務諸表の作成や分析、予算管理などの複雑な数値を扱う業務が多いため、法学部で学んだ論理的思考力や問題解決能力も役立ちます。
営業職
営業職では、企業の製品やサービスを顧客に提供する中で法律の知識が必要になります。たとえば、新規顧客を開拓する際には、製品導入に関する法律や契約締結に関する法律の知識が欠かせません。営業職は企業の利益に直結するため、やりがいのある仕事を求める学生に人気の職種です。
就活に活かせる法学系の資格5選

就活に活かせる法学系の資格は、以下の5つです。
- 司法書士
- 行政書士
- 社会保険労務士
- 中小企業診断士
- 宅地建物取引士
司法書士
司法書士は不動産登記や商業登記、相続手続きなどの法的手続きを代理する専門家です。たとえば、企業の設立時に必要な登記手続きや、土地や建物の売買に伴う登記の変更手続きを行います。司法書士の資格を取得することで法律の専門知識をアピールできるため、就職を有利に進められます。
行政書士
行政書士は行政手続きに関する書類作成や提出を代理する専門家であり、多岐にわたる業務を担当します。たとえば、会社設立時の定款作成や各種許認可申請、契約書の作成などを行います。行政書士の資格を取得することで、法的手続きをスムーズに進める能力をアピールできるため、企業の総務部門や法務部門での就活を有利に進めることが可能です。
社会保険労務士
社会保険労務士は労働法や社会保険に関する専門家であり、企業の人事労務管理をサポートします。たとえば、労働契約の作成や労働条件の整備、社会保険の手続きなどを行います。社会保険労務士の資格を取得することで、労働法に関する専門知識をアピールできるため、人事労務部門での就活を有利に進めることが可能です。
中小企業診断士
中小企業診断士は、経営コンサルタントとして中小企業の経営課題を解決する専門家です。たとえば、経営戦略の立案や事業計画の策定、財務分析、マーケティング戦略のアドバイスなどの業務を行います。中小企業診断士の資格を取得することで、幅広いビジネス知識と法的知識をアピールでき、さまざまな業界や職種での就活を有利に進められます。
宅地建物取引士
宅地建物取引士は不動産取引に関する専門家であり、取引の安全性を確保するための重要な役割を担います。たとえば、不動産の売買契約や賃貸契約の作成・チェック、取引に関する法的アドバイスなどを担当します。不動産取引には法的リスクが伴うため、宅地建物取引士の資格を取得することで、不動産業界や建設業界での就活を有利に進めることが可能です。
まとめ
この記事では、法学部におすすめの就職先や人気職種、就活に活かせる資格について解説しました。法学部で学んだ知識を活かすことで、法曹界・公務員・金融業界など、幅広い分野で活躍することが可能です。
また、司法書士・行政書士・社会保険労務士などの国家資格を取得することで、就活を有利に進められます。そのため、法学部の学生や卒業生の方は、この記事を参考にして自分に合ったキャリアを考えてみてください。