経済学部で学んだ知識を活かして働くためには、適切な業界や業種を選ぶことが大切です。しかし「経済学の知識を活かせる仕事がわからない」「どの業界に就職するか悩んでいる」という方も多いでしょう。

そこで、この記事では経済学部におすすめの就職先12選を解説します。人気職種や就活に活かせる資格も紹介するので、経済学部の方は最後までご覧ください。

経済学部におすすめの就職先12選

経済学部におすすめの就職先12選は、以下の通りです。

  • 金融業界(銀行・証券・保険)
  • 総合商社・専門商社
  • 公務員
  • 会計事務所・税理士法人
  • コンサルティング業界
  • 人材サービス業界
  • マスコミ・広告代理店
  • メーカー
  • 情報通信・IT業界
  • 不動産業界
  • 観光業界
  • ゲーム・エンターテイメント業界

金融業界(銀行・証券・保険)

銀行・証券会社・保険会社は、経済の動向を把握しリスク管理する能力が求められるため、経済学部の知識を最大限に活かせますたとえば、銀行では個人や企業への融資業務があり、経済学の知識を駆使して信用リスクを評価し、適切な融資判断を行います。

証券会社では、株式や債券の取引を通じて資産運用のアドバイスを行うため、経済の動向を読み解く力が必要です。保険会社では、顧客に適した保険商品を提案し、リスク管理を行うための分析力が求められます。このように、金融業界には経済の知識が求められる仕事が多いため、経済学部の学生にとって人気のある就職先です。

総合商社・専門商社

総合商社や専門商社は幅広いビジネスを展開しており、さまざま分野で経済学部の知識を活かせます。たとえば、総合商社ではエネルギー・食料品・金属など多様な分野で事業を展開しているため、それぞれの市場動向を分析し、適切なビジネス戦略を立てることが求められます

商社は海外展開が盛んで、国際経済学の知識を活かせる仕事が多いため、グローバルに活躍したい人に人気のある就職先です。ただし、経済学の知識に加えて、プロジェクトマネジメントや交渉力も重要視されるため、志望する方はコミュニケーション能力も鍛えておきましょう。

公務員

経済学部出身者が公務員として働くと、政策立案や経済分析の分野で学んだ知識を活用できます地方自治体の経済政策部門では、地域経済の発展に向けた施策を立案し、実施する役割を担います。そのため、経済学の基礎知識や分析スキルが不可欠です。

また、国家公務員として中央省庁で働く場合、国全体の経済政策や財政運営に携わる機会があります。公務員は民間企業と比べて安定性が高く、福利厚生が充実しているため、ライフワークバランスを重視している人におすすめの就職先です。

会計事務所・税理士法人

会計事務所や税理士法人は、経済学の知識を用いて企業の財務状況を分析し、適切なアドバイスを提供する必要がありますたとえば、会計事務所では企業の決算書作成や税務申告のサポートを行い、企業が法令に準拠した経営を行えるよう支援します。

税理士法人では税務の専門知識を活かして、企業の節税対策や税務調査の対応を行うことが重要です。この業界では企業の経営者や財務担当者と密にコミュニケーションを取るため、経営理論やデータ分析のスキルを活かして経営に関わりたい人に向いています。

コンサルティング業界

コンサルティング業界は企業の課題を分析し、解決策を提案する仕事が多いため、経済学の理論やデータ分析のスキルが求められます特に、経営戦略系のコンサルティングファームでは企業の成長戦略や市場参入戦略を立案し、実行支援を行います。

そのため、市場や業績のデータを分析し、企業の競争力を高めるための施策を提案する能力が必要です。コンサルティング業界は平均年収が高く、組織改革や業務改善に携わるため、金銭面ややりがいを重視している人におすすめです。

人材サービス業界

人材サービス業界では、経済学の知識を活用して人材市場の動向を分析し、適切な人材マッチングを行うことが求められます。たとえば、人材紹介会社では企業の求人ニーズに合わせて最適な候補者を紹介し、企業と求職者の双方に満足度の高いマッチングを実現します。

そのため、労働経済学やデータ分析のスキルを活かして、市場の動向や企業戦略を理解することが重要ですこの業界は経営の変動に敏感で、情勢の変化に柔軟に対応する必要があるため、変化を楽しめる人に向いています。

マスコミ・広告代理店

マスコミや広告代理店は社会や市場の動向を敏感に捉え、消費者のニーズを理解して、それにもとづいた広告戦略を立てる必要があります。たとえば、広告代理店で新商品の広告キャンペーンを実施する際には、経済動向を踏まえた市場分析や販売戦略の立案を行い、商品を広く認知させます。

そのため、マクロ経済学を駆使して経済の流れを理解する能力や、消費者行動理論を用いてターゲットを見極めるスキルが重要ですこの業界ではクリエイティブな発想や論理的思考力が求められるため、常に新しい仕事にチャレンジしたい人におすすめです。

メーカー

メーカーは理系学生に人気がある就職先ですが、商品企画・マーケティング・経営戦略など、経済学部で学んだ知識を活かせる仕事も多いです。新商品の市場投入時には、市場調査を基に需要分析を行い、製品の価格設定やプロモーション戦略を立案します。

この業務には、SWOT分析やファイブフォース分析などのマーケティングフレームワークの知識が不可欠ですメーカーは海外展開している企業が多いため、海外市場の経済動向を分析し、国際的なビジネス戦略を策定する機会もあります。

情報通信・IT業界

情報通信・IT業界は技術が急速に進化しているため、市場の変化を見極められる人材が求められています。たとえば、新しいアプリケーションを開発する際には、消費者ニーズや競合他社の動向を分析し、効果的なマーケティング戦略を策定する必要があります

ビッグデータの解析や経済モデリングなど、経済学の知識を持った人材の需要が高いため、最新技術やAIに興味がある人はIT企業を検討してみてください。

不動産業界

不動産業界は市場の変動や経済動向に敏感であり、経済学の知識が直接的に活かせる業界です。新規開発プロジェクトでは、地域の経済状況や人口動態を分析し、適切な価格設定や投資判断を行います

また、資産運用や投資戦略の立案を行うためには、金融や経済の知識が不可欠です。そのため、不動産経済学や都市経済学に関心がある人は、不動産業界を検討してみましょう。

観光業界

観光業界は政府の政策や規制の影響を受けやすいので、政策や観光経済学の知識が必要ですたとえば、ホテルでは競合他社のサービスや料金、顧客からの評価を調査し、自社の強みと市場とのギャップを特定します。

これにより、自社の特徴を明確にし、効果的なプロモーション戦略を立てられます。経済学部の知識は、企業の戦略策定から旅行プランの作成、観光地の開発計画まで幅広い業務に活かせるため、観光分野に興味がある人はぜひ検討してみましょう。

ゲーム・エンターテイメント業界

ゲーム・エンターテイメント業界では技術が急速に進化しており、常に新しいサービスが開発されています。そのため、統計学やデータ分析の知識を使って、ユーザー行動の解析や市場予測を行う機会が多いです

また、ゲーム業界では収益を最大化するための課金モデルを設計する際、収益管理や価格設定の知識が必要になります。さらに、SNSやWebサイトでのプロモーションを頻繁に実施するため、マーケティング理論や消費者行動分析に関心がある人にもおすすめの業界です。

経済学部の学生に人気の職種5選

経済学部の学生に人気の職種は、次の5つです。

  • 経理職
  • 財務職
  • 営業職
  • 人事職
  • マーケティング職

経理職

経理職は企業の財務情報を管理し、正確な会計処理を行うことが求められます。具体的には、月次決算や年次決算の作成、予算管理、財務報告書の作成などを担当します。

損益計算書を作成するには会計学の知識が必要であり、予算を策定し業績を予測するには統計学の知識が求められるため、経済学部で学んだ知識を活かす場面が多いです。企業の経営に直接関わる役割を担い、戦略的な業務も含まれているため、企業経営に興味がある人におすすめの職種です。

財務職

財務職は企業の資金調達や運用、リスク管理を担当する職種です。そのため、財務管理や企業戦略に関する知識を活かせる場面が多いです

たとえば、資金調達や資産運用の計画を立てる際には、企業の財務諸表を分析し、資金の流れを最適化する戦略を立てる必要があります。財務職では数字を扱うことが多いため、数学が得意な人や論理的思考能力が高い人に向いています。

営業職

営業職では商品やサービスの販売だけでなく、市場調査や顧客のデータ分析などの業務を行います市場分析や顧客ニーズの把握を通じて効果的なアプローチ方法を設計することで、より多くの契約を獲得できるため、経営学の知識を活かして活躍したい人に適した職種です。

また、大学で培ったコミュニケーション力や論理的思考力を活かすことで、説得力のあるプレゼンテーションを行い、商談や契約交渉をスムーズに進められます。

人事職

人事職は企業の人材管理を担当し、組織の成長と従業員の満足度向上を目指す役割があります。メイン業務である新卒採用や中途採用では、経営戦略の知識を活かして事業計画にもとづいた採用計画を策定します

さらに、企業の戦略目標に合わせて人材配置を行うためには、人事KPIの設定や分析、データを用いた社員のパフォーマンス評価が必要であり、経営学やデータ分析のスキルを活かす機会が多いです。

マーケティング職

マーケティング職は、商品やサービスを効果的に市場に広めるための戦略を立てる上で、統計学や行動経済学の知識が不可欠です広告効果の測定には計量経済学の手法が必要であり、価格戦略の立案にはミクロ経済学の知識が求められます。

さらに、マーケティング職では分析結果を他部署やクライアントに説明する機会が多いため、経済学部で培ったデータを分かりやすく要約し、簡潔に伝える能力が役立ちます。

就活に活かせる経済学部関連の資格3選

就活に活かせる経済学部関連の資格は、次の3つです。

  • 公認会計士
  • 税理士
  • 日商簿記検定

公認会計士

公認会計士は企業の財務状況を審査し、適正な会計処理が行われているかを確認する専門家です。たとえば、企業の決算書の監査や内部統制の管理などを行います。

公認会計士の資格を取得することで、高度な会計や財務の知識を習得できるため、金融業界や会計事務所への就活を有利に進められます。そのため、会計や監査の業務に興味がある人は、公認会計士の資格取得を検討してみましょう。

税理士

税理士は個人や法人の税務申告を代行し、税務相談に応じる専門家です。たとえば、確定申告書の作成や税務調査の対応、節税対策の提案などを行います。

税理士の資格を取得することで、税法や会計に関する知識を身につけられるため、企業の財務部門や税理士法人への就職が有利になります。さらに、独立開業して自分の事務所を持つこともできるので、将来起業したい人にもおすすめの資格です。

日商簿記検定

日商簿記検定は、企業の会計処理や財務諸表の作成に必要な知識を証明するための資格です。たとえば、簿記2級を取得すると損益計算書や貸借対照表を作成し、帳票を正確に記帳するスキルが身につきます。

日商簿記検定は多くの企業で評価されているため、経理や財務部門への就職を有利に進められます。また、公認会計士や税理士に必要な基礎スキルを身につけるのにも役立つので、経理や財務の仕事に興味がある人は積極的に取得してみましょう。

まとめ

この記事では、経済学部におすすめの就職先や人気職種、就活に活かせる資格を解説しました。経済学部の学生は金融業界や商社、公務員など幅広い業界で活躍できます。

また、経理職や営業職などの職種では、経済・会計・データ分析などの知識が必要となるため、経済学部出身者の需要が高いです。そのため、どのようなキャリアに進むべきか悩んでいる人は、この記事を参考にしながら自分に合った業界や職種を考えてみてください。