エントリーシートをひと通り書き終えた時「これで完璧だ!」と思える場合もあれば、「伝えたいことが伝わるだろうか…」「自分の強みが書けているだろうか…」と自信が持てない場合もあるでしょう。そこで今回は、「ストーリー」があるかどうかに着目して、“選ばれるエントリーシート”にするためのブラッシュアップ術をお伝えします。
人と違う経験やエピソードを探すより、自分がどう考え、どう行動したかに着目しよう。
内容と同じぐらい、伝え方が大事
エントリーシートには、「学生時代に力を入れていたこと(ガクチカ)」や「なぜこの業界/当社を志望したのですか」など、いくつかの設問が並びます。採用企業は、その回答から学生の価値観や考え方、能力などを総合的に判断し、求める人材像とマッチするかどうかを見極めます。その際、<何が書かれているか>が評価の対象になるのですが、<伝えるべきことが伝えられる文章で書けているかどうか>で、回答の印象は大きく変わります。せっかく素晴らしい経験や考えを持っていたとしても、相手に伝わらなければ期待通りの評価を得ることはできないかもしれません。
<何を書くか>だけでなく<どのように書くか/どのように伝えるか>という視点を持つことが、エントリーシートの突破力を高めることにつながります。
「ストーリーのあるエントリーシート」とは
エントリーシートに求められるのは、その人の価値観や考え、能力だということは先述しましたが、「人と違う経験やエピソードはないし、自分の強みをどう伝えればよいのかわからない」という人も多いのではないでしょうか。そこで、目を向けたいのが「ストーリー」です。たとえ経験やエピソードが特別なものではないとしても、その過程(=ストーリー)は自分自身の価値観や考え方、能力によって違うはずです。そこに、自分の強みが表れます。経験を通して成長・進化した自分自身の “ストーリー”が描かれている。それが「ストーリーのあるエントリーシート」です。
具体的なエピソード“+α”が重要なポイント
では、「ストーリーのあるエントリーシート」を書くためのポイントをチェックしていきましょう!
<ポイント1>
事実に基づいた“エピソード”は最低条件。時系列に添って具体的に書く。
ガクチカを例に挙げて説明します。ここでは、勉強や研究、サークル活動、ボランティア活動、アルバイト、留学など、色々なエピソードが考えられますが、どのような内容であっても時系列で伝えるのがベスト。巧みなレトリックや大げさな表現は、ここでは歓迎されません。<順を追って、分かりやすい言葉と文章で>が基本です。また「〇人を集めて」や「〇日間で」など、具体的な数字の表記はとても有効。あいまいな表現に終始せず、実績は具体的な数字でアピールしましょう!
<ポイント2>
事実の記述(エピソード)と“自己分析”で差をつける。
起きた出来事を具体的に書いた上で、出来事に対して<自分がどのように感じ、どのような行動を起こしたかのプロセス>に、その人の考え方や価値観、能力が表れます。ただ自分の強みを羅列するだけでは説得力がありません。具体的なエピソード、つまり「事実」と「自分の心の動き」の両面がわかる内容に仕上げましょう!
<ポイント3>
“自分の変化、成長”が伝わるかどうか、最後にもう一度確認する。
残念な例としてありがちなのは、経験や出来事だけで書き終えてしまうケースです。<①何を学び、何を得ることができたか>、そして<②どのように自分が成長したか(成長の証となる具体的なエピソードがあるとより有効)>、<③今後どのように活かしていきたいか>まで書いて、はじめて自分の強みとしてアピールできる内容になるでしょう。
書いている最中は、客観的な視点から文章の内容を分析するのは難しいものです。ひと通り書き終えたら、先述の3つが書けているかどうかを確認しましょう。つじつまが合っているか、説得力があるかどうか。この2点を意識して読み返すのも効果的です。
さらに完成度をあげるために、添削が必須!
ここでエントリーシートは完成!と言いたいところですが、添削はぜひともしておきましょう。一生懸命書き上げたエントリーシートにダメ出しをされるのはつらいものですが、やらずに後悔することになってはここまでの苦労も水の泡になってしまいます。提出前に、多くの人の目に触れて、内容に磨きをかけましょう。名大社では、就活イベントで相談ブースを設置しているほか、オンライン就職相談会を行って、みなさんのサポートを行っています。また、学校のキャリアセンターも身近で頼れる存在です。卒業生の先輩方やご家族、ご友人など、身近にいる方に頼むのもよいですね。
最後に
「うまく書けないのは自分だけかも…」と落ち込まず「エントリーシートは簡単にいかないもの。じっくり取り組もう!」という気持ちの切り替えも大事です。第一印象や話し方、表情など、色々なポイントで自分の強みをアピールできる面接と違って、エントリーシートは記載した内容がすべてですが、納得できるまで時間と手間をかけることができます。多くの人からアドバイスをもらって、その都度内容を見直して、最強のエントリーシートを完成させてください。ここでの苦労が面接でも大いに活かされます。応援しています!