厚生労働省の報道発表によると、入社3年以内の離職率は3割を超えています(令和2年3月卒業者)。10人に3人は離職しています。入社してはじめて分かることもあるだけに離職は仕方のない場合もありますが、学生の皆さんにとっても苦渋の選択になってしまいます。「こんなはずではなかった」と後悔しないために、企業選びの際に気を付けたいことを解説します。

企業も学生も頭を悩ませる“ミスマッチ”
早期離職を回避するための2つのアクション

早期離職の原因から対策を考えよう

【早期離職に至る主な原因】
・仕事内容と待遇の不釣り合い
・理想と現実のギャップ
・仕事内容に対するイメージの違い
・社風になじめない
・コミュニケーションがうまく取れない ・企業からの期待に対するプレッシャー

どの原因にも共通しているのは<内定時のイメージと入社後のギャップ>ではないでしょうか。そこで、このギャップを就職活動の段階でいかに解消するかを考えていきましょう。

インターンシップは積極的に参加しよう

インターンシップでは、在学中に一定の期間、企業内で実際の仕事を経験することができます。企業によっては1日もしくは数日間の短期間で実施する場合もあります。内容も企業によって様々ですが、職場の雰囲気や仕事の内容を体感できる貴重な機会であることは同じです。その企業の一社員となって働いてみることで、それまで描いていたイメージと合致する部分とそうでない部分が明確に分かります。ここで「イメージとは少し違った」、「自分には合わないかもしれない」と気づくことができれば、入社後のミスマッチを回避できることになります。自分の目で見て感じることの大切さが分かるのではないでしょうか。

また、インターンシップには、自分自身の能力や適性を知るという側面もあります。自分が得意だと思っていたことも、実際の職場では意外とそうでなかったり、別の能力に気がつくかもしれません。企業と自分、その両方に対する理解を、実践を通して深められるのがインターンシップの極意と言えるでしょう。

自己分析と企業研究を紐づけて考える

<自分と企業、その両方の理解を深めること>の重要性は、インターンシップの項目でも解説しましたが、両者の分析を照らし合わせることではじめて、ミスマッチの少ない企業選びができるようになります。企業研究が十分にできていても、自分の憧ればかりを優先して企業選びをしてしまうとミスマッチが起こる可能性が高まります。

<自分の能力や適性>と<企業の理念・社風・求める人材像>を重ね合わせた時、マッチする部分が大きいほど相性がよく、やりがいを持って働ける職場だと言えるでしょう。

例えば…
 

【自己分析】

新しいことに挑戦できる、アグレッシブな環境が合っている。

結果がでるまで粘り強く取り組む。

【企業研究】

ビジネスの課題に着目し、より円滑に変えていく製品を開発。

一人ひとりがプロフェッショナルとなり、個人の能力を発揮する。

すでに海外進出を果たし、製品の認知も浸透。今後さらに国外での販路拡大を目指す。

両者を照らし合わせて、マッチしている部分を見つけてみましょう。
すべてが合っていなくても、マッチしていると思える点があれば、それはあなたの強みです。企業の理念や求める人材像に共感できるかどうかも含めて検討してみましょう。

最後に

インターンシップへの参加と、自己分析・企業研究の紐づけを意識して、ミスマッチのない内定を手に入れましょう。もし内々定を受け取った段階で、仕事に対する不安や入社に向けて懸念していることがあれば、承諾の返事をする前に相談して解決しておきましょう。企業側は、みなさんの活躍を期待して入社を歓迎していますから、真摯に受け止めてくれるはずです。新卒採用を経験できるのは、人生で一度きりです。自分が選んだ会社で長くやりがいを持って働き続けられるように、一点のくもりもない気持ちで入社日を迎えましょう!

 

参照:厚生労働省ホームページ「新規学卒就職者の離職状況(令和2年3月卒業者)を公表します」