入社後のミスマッチを避けるためには、正しい方法で企業研究することが重要です。ただ、どのように企業研究すればいいのかと悩んでいる方も多いでしょう。
そこで、この記事では企業研究のやり方10選を解説します。効率よく情報収集するポイントも紹介するので、就活を成功させたい方は最後までご覧ください。
企業研究をする目的
企業研究のやり方10選
効率よく企業研究するポイント
企業研究を行うときの注意点
まとめ
企業研究をする目的
企業研究をする目的は、以下の5つです。
志望業界・志望企業を決めるため
志望業界・志望企業を決めるために、多くの人が企業研究に取り組んでいます。志望企業や志望業界を決めるには、企業研究を行い、それぞれの企業ごとの違いや特徴を把握しなければなりません。例えば、ものづくりをしたいと考える場合でも、メーカーやIT企業、出版業界など、新しいものやコンテンツを作っている業界は多岐にわたります。そのため、やりたい仕事の方向性が明確でなければ、志望業界を絞り込むことが難しいです。
また、志望業界が決まっていても、各企業の違いを理解していないと、志望企業を選ぶこともできません。そのため、企業研究を通じて業界や企業の違いを学び、やりたい仕事を明確にすることが重要になります。就活人気企業ランキングなどのデータは、情報の一つとして参考にすることは大切ですが、最終的には自分自身にとって理想的な働き方ができるかどうかを判断することが肝心です。
志望動機を明確にするため
志望動機を明確にするためにも、企業研究が有用です。その理由は、業界内での立ち位置や競合他社との違いを知らないと、志望動機が明確にならないからです。例えば、最新の動向や業績、注力している分野を知っておくことで、自分がどのように会社に貢献できるかを論理的に伝える準備ができます。志望動機はエントリーシートや面接で頻繁に問われるため、企業研究を通じて志望動機をしっかりと固めておくことが重要です。
面接対策をするため
企業研究を行うことで、適切な面接対策が可能になります。なぜなら、面接では企業で活躍できる人材であることをアピールする必要があり、企業が求める人材像に合わせて自分をアピールすることが重要だからです。例えば、企業の情報や業績を基にした面接対策を行うことで、根拠に基づいた論理的な志望理由を伝えることができます。一方で、企業研究を怠ると、志望動機が表面的なものになり、採用担当者によっては志望度が低いと判断されることがあります。したがって、面接対策を行う前に企業研究をすることが大切です。
将来像・キャリアを明確にするため
企業研究をすることで、自分の将来像やキャリアを明確にできます。なぜなら、企業ごとのキャリアステップ、昇進スピード、配属先などを確認することで、大まかな将来像が想像できるからです。例えば、配属先が東京都のみの場合、都心で働きたい人にとっては理想の職場になり得ます。ただ、地方で働きたいと思っている人にとっては、たとえ仕事内容が良かったとしても、理想の職場にはならないでしょう。そのため、企業研究をしながら、自分にとっての理想の人生とは何か、その理想の人生を実現するためにはどうすればいいかを考えることが重要です。
ミスマッチを防ぐため
企業研究をすることで、入社後のミスマッチを防げます。なぜなら、業務内容や社風、キャリアプランなどは企業研究により把握できるからです。例えば、説明会やOB・OG訪問で詳細な業務内容を聞いたり、企業理念や代表メッセージを確認したりすることで、入社後のイメージがよりはっきりと掴めるようになります。入社後に「思っていた業務内容と違った」「社風が合わない」「理想のキャリアプランを歩めない」と感じて退職する人が多いため、理想の企業を見つけるためにも企業研究は欠かせません。
企業研究のやり方10選
企業研究のやり方10選は、以下の通りです。
企業のホームページを確認する
まずは、企業のホームページを確認しましょう。ここには企業の基本的な情報が掲載されているため、効率的に企業研究を進めることができます。企業情報やアピールポイント、社長からのメッセージが掲載されているほか、報道機関に向けた「プレスリリース」には今後の事業展開や動向がまとめられています。
株主や投資家に向けたIR情報には経営や財務の情報、就活生向けのページには求人情報や先輩社員のインタビューなどが掲載されているため、隅々までチェックしてみましょう。どんな情報を確認したらいいかわからない方は、以下のポイントを確認してみてください。
・業界
・業界での立ち位置
・競合他社との違い
・事業内容
・資本金
・売上高
・従業員数
・平均年齢
・企業理念
・社風
・所在地
業界地図を確認する
企業研究をしている方は、図を用いて業界ごとのデータをわかりやすく解説している「業界地図」のチェックもおすすめです。業界地図を見ると、志望企業が属する業界内での立ち位置や、競合企業との違いが明確に理解できます。これらの違いを把握することで、採用担当者に響く具体的な志望動機が作りやすくなります。
業界地図は複数の出版社から発売されており、それぞれ掲載情報やデザインが異なるため、自分の好みに合うものを選んでください。さらに、業界の最新情報を掲載している「業界新聞」や、企業の基本データを分かりやすくまとめている「四季報」もチェックするのもおすすめです。
新聞やニュースをチェックする
新聞やニュースは業界・社会情勢・競合他社の動向など、最新の情報を提供しているため、企業研究の際に有用です。業界全体の最新の取り組みについての知識は、志望動機をより明確にするだけでなく、情報収集能力や志望度の高さをアピールするのにも役立ちます。そのため、就活中は、こまめに新聞やニュースをチェックしておきましょう。重要な情報を何度も見直したいという方は、重要な箇所を切り抜き、企業研究用のノートに貼り付けておくのがおすすめです。
SNSをチェックする
InstagramやX(旧Twitter)など、企業のSNSをチェックするのもおすすめです。SNSでは企業の最新情報を知れるだけでなく、採用活動の状況や社内の雰囲気を知ることができます。最近では、YouTubeやTikTokなどで、社内の様子や仕事内容を動画で解説していることもあります。企業ホームページでは知れない情報を発信していることも多いので、企業のSNSも確認しておきましょう。
書籍や取材記事を読む
企業研究の一環として、書籍や取材記事を読むこともおすすめです。書籍や取材記事では、企業のホームページや採用ページに掲載されていない、具体的な話が解説されています。例えば、創業者が執筆した書籍では、創業の背景や会社の歴史、今後の展望などが詳細に記載されていることが多いです。志望理由を考える際の参考になるので、志望企業に関する書籍や取材記事がないかを確認してみてください。
求人を確認する
就活では、求人情報を隅々まで確認しましょう。求人情報には企業の基本情報や求める人材像が書かれているため、効率よく志望動機や自己PRを作成するために役立ちます。求人は企業のホームページや就活サイトに掲載されているので、複数のサイトをチェックしておきましょう。もし、どんな情報を収集すべきかわからない場合は、以下のポイントを押さえておくのがおすすめです。
・採用実績
・求める人物像
・給与
・福利厚生
・配属先
・勤務地
会社説明会に参加する
企業説明会では、企業のホームページや求人情報には書いていない話をすることが多いため、効率よく企業研究したい方は参加してみましょう。詳しい業務内容や求めている人材について聞いてから志望動機を考えることで、具体的で採用担当者に刺さる文章になります。
1つの企業に絞って情報を集めたい人は個別企業説明会、複数の企業の情報を集めたい人は合同企業説明会に参加してみましょう。企業説明会は情報収集になるのはもちろん、他の就活生と会うことでモチベーションを高められるため、就活を成功させたい方は積極的に参加してみてください。
インターンシップに参加する
インターンシップに参加すると、詳細な業務内容や社風を知ることができます。社員と会ったり職場に行ったりすることで、入社後のイメージが湧くようになるため、興味がある企業のインターンシップに参加するのがおすすめです。
インターンシップには、基本的な業務内容を解説する1dayインターンシップと、実際に職場に入って仕事体験をする中長期インターンシップがあります。職場に行って社員の方と関わると業務内容の理解が深まるため、時間が確保できる方は中長期インターンシップに参加してみてください。中長期の場合は書類選考や面接を通過しないと参加できないことが多いですが、業務適性があるかを見極めるいい機会になるため、積極的に挑戦してみましょう。
OB・OG訪問をする
深く企業のことを知りたいなら、OB・OG訪問をするのがおすすめです。OB・OG訪問では、説明会や面接では聞きづらい内容を聞けるため、第一志望の企業を決めるのに役立ちます。社員のリアルな声を聞ける貴重な機会なので、説明会で聞けるような質問ではなく、実際に働いている社員にしか応えられないような質問をするのがおすすめです。もし、何を質問したらいいかわからないという方は、以下のポイントを押さえておきましょう。
・出世のスピード
・ジョブローテーションの仕組み
・異動の頻度
・社風
・入社前と入社後のギャップ
仕事の悩みや不満を聞いておくと社会人生活がイメージできるため、基本的な企業研究が完了した方は、OB・OG訪問をしてみましょう。
実際に製品・サービスを使ってみる
実際に製品やサービスを使ってみると、ホームページではわからない使い心地や機能の素晴らしさを知ることができます。そのため、食品メーカーやIT企業など、低価格帯の商品・サービスを開発している企業を志望している方は、製品の購入も検討してみましょう。実際に買えない場合は、Amazon・楽天・口コミまとめサイト・購入者のブログ記事などをチェックしてみるのがおすすめです。
効率よく企業研究するためのポイント
効率よく企業研究したい方は、以下のポイントを押さえておきましょう。
企業研究ノートを作成する
効率よく企業研究したい方は、企業研究ノートを作成しましょう。調べた情報や感じたことをノートにまとめることで、効率よく比較・分析できるようになります。例えば、自分が興味を持ったポイントをメモしておくと、志望動機を作る際に役立ちます。
また、サイトや書籍を見てもわからなかったことをメモしておくと、逆質問のときに困ることもありません。そのため、基本情報(所在地・資本金・社員数・売上高など)や求人情報(初任給・勤務時間・福利厚生など)、採用情報(昨年の採用人数や配属先など)をノートにまとめておきましょう。
競合他社と比較する
企業の基本情報をまとめたら、競合他社と比較してみましょう。企業情報を比較することで、企業ごとの特徴・強み・弱みなどが浮き彫りになります。もし、これから企業研究ノートを作成しようと思っている場合は、企業情報を比較しやすいように、フォーマットを合わせておくのがおすすめです。ノートではなくスマホやパソコンで企業情報をまとめたい方は、項目ごとに比較しやすくするために、Excelやスプレッドシートの表でまとめておきましょう。
企業の強みを明確にする
企業研究を始めたら、志望企業の強みを明確にしましょう。志望企業の強みや弱みを知っていると、具体的かつ論理的な志望動機を作れるようになります。企業情報を比較すると強みが明確になるため、企業の基本情報と併せて強みや弱みもまとめておきましょう。
企業研究を行うときの注意点
企業研究を行うときは、以下のポイントに注意しましょう。
情報は取捨選択する
企業研究を行う際は、情報を取捨選択するようにしましょう。情報を取捨選択しないと、自分に必要な情報がわからなくなってしまいます。例えば、企業のホームページや求人に書いてある情報をすべてまとめていくと文章量が膨大になり、どのように競合他社を比較すればいいかが分からなくなってしまいます。そのため、企業研究をする際は、自分に必要な内容だけを収集するように気をつけましょう。
時間をかけすぎない
企業研究を行うことは重要ですが、時間をかけすぎないように注意してください。没頭しすぎると、エントリーシートの作成やインターンシップの参加など、内定に直結する活動が疎かになってしまいます。企業研究は業界・企業に詳しくなることが目標ではないため、自分に必要な情報だけを効率的に取得していきましょう。
自己分析と並行して行う
企業研究だけに集中するのではなく、自己分析と並行して進めましょう。理想の働き方やキャリアプランが明確でなければ、どの情報が自分にとって重要なのか判断が難しくなり、企業研究の効率も下がってしまいます。企業研究も自己分析も短時間で終えられるものではないため、早いうちから始めておきましょう。
まとめ
この記事では、企業研究のやり方を解説しました。正しいやり方で企業研究をすることで、入社後のミスマッチを避けられるだけでなく、就活の成功率を高められます。短時間で終えられるものではないため、この記事を参考にしながら早い時期から企業研究を行ってみてください。